「私ね…このままじゃ『ありがとう』なんて…きれいごとで逝けないワ…だって、あなたに『怨念』があるの」


この数週間、私の「怨念」さわぎは、断続的に爆発している。


ことの起こりは、先月、私達の33回目の「結婚記念日」だった。


もともと、我が家は「誕生日」を始め…「○○祝い」を当日に祝う習慣がない。

予定していても、突発的に仕事が入る自営業なので…幼い子供達をがっかりさせない意味もあった。


だから…別に「結婚記念日」が特に絡んでいるわけじゃないんだけれど…


その日は、抗癌剤治療の日で…朝10:30~終わったのは、夕方5:00頃だった。

新婚○子への届け物を頼んでいたので「私も一緒に行きたいナ~」と電話したけどつながらない。

帰宅してみると…

△男も、一緒に行ったらしく、家の中は、真っ暗!


理由もなく寂しかった。


誰もいないので、気兼ねなく…

「ワンワン」泣いた。


△男もいるし、これまでずっと、夫に対して「いいお父さん」しか求めてこなかった。


でも、もう、子供達は巣立ったのよ。

「末期癌」の私を、もう少し、気遣ってくれてもいいじゃない…?

今日は、私の帰りのタクシー代の事も忘れているし…


頭の中に「よい思い出の引き出し」と「悪い思い出の引き出し」がある。

夫との「悪い思い出の引き出し」が開いた。


マ~次々出てくるワ!

夫への「怨念」が…

これまで、子供達のために我慢してきたからネ~


「あなた、海外旅行へ連れて行ってくれるって…昔、約束したじゃない!ど~してくれるのよ!私もう、体力的に行かれないワ…」

「あなたに貸したお金…『返す』って…その前に、私、死んじゃうワ!」

「昔はサ、私、モテたのよ!なのに…な~んで、あなたと駆け落ちなんかしたのかしら?」


あの時…○○って言った。

この時…△△て言った。


ア~「怨念」は、果てしなく盛り上がる。


夫も老けたが…

私も相当だ…

おそろしいスッピンで…据わった目…

「更年期」「ステロイド」「医療用麻薬」

すでに、感情のコントロールを失っている。


それをわかっているのか…

最近の夫は、私の「挑発」にのってこない。

「妖怪裕子」のマッサージをしながら…

適当に謝り、適当に相槌を打つ。


***


やるせないんだよ!

もっと、ずっと、一緒に未来を描きたかった。

本当は…お金も…旅行も…望んでなんかいない。


私達夫婦は、戦友でもある。


二人力を合わせて、△男を、守り、育んできた。


まだまだ、頑張るけど…

私…

ダメかもしれない。


父ちゃん…

長生きしてネ!

△男を頼む。




(・_・)裕子