結局…
「癌」は、そのまま、おさまってはくれなかった。
現在は、胸椎、腰椎、仙骨、仙腸関節、腸骨、軟部組織に散らばり…
「医療用麻薬」なしでは、生活できない。
私は、もう…
ありのままの自分を認めようと思う。
つらくて…不安で…悲しくて…
一人、泣きじゃくる自分がいる。
眠れない夜に…
「睡眠薬」に頼るようになってしまった自分がいる。
そんな、情けなくて弱い自分を許そうと思う。
それでも…
いつも、落ち込んでなんかいない。
上手く「痛み」がコントロールされ…
それなり元気に生活している。
「癌」から「得たもの」はなんだろう…?
もし「癌」じゃなかったら…
上手く「子離れ」できたかどうか…?
私の性格から言って、疑わしい。
「余命」を意識して、はっきり見えてきた事がある。
それは…
たとえ障害児であっても…
「親と子の人生は別だ」
障害児の親は、揃ったように…
「この子より、一日でも長生きしたい」と言う。
私もそうだった。
一見、美しい言葉のようだが…
裏返せば…
「子の短命」を願っている事にもなりかねない。
親自らが、子の自立をあきらめては、いけないと思う。
(人の手の借りながらの自立で、いいんだと思う)
先日の新聞に最新の「余命」が載っていた。
私のステージだと「5年後生存率」は15.6%だって…
きびしいケド…
可能性はゼロじゃない。
未来を描く権利は、私にだってある。
だから…
東京オリンピックで「通訳ガイド」になるために、英会話の勉強も続けるつもり…
一方で…
私は、もう「死」を怖れてはいない。
たとえ今日が「その日」でも、心の準備は、できている。
「死」はけして、負ける事なんかじゃない!
人は、それぞれ「役割」も「寿命」も違う。
「長生きする事」が人生の目的じゃない。
「どう生きたのか…?」だと思う。
「癌」がわかってからは…
何でも…
「これが最後」と思って、大切にしてきた。
「やろう」と思った事は、先延ばしにせず、取り組んできた。
「悩み」「苦しみ」も多かったケド…
それまでとは比べものにならない位、密度が濃い時間だった。
「癌」になってからの一年は、それ以前の三年分位の価値があったから…
7年×3=21年
と、すると…
私は、実質、72才!
(けっこう長生きじゃん!)
けれど…
愛し合う者同士を「死」が別つという事…
つらくて…つらくて…
胸がしめつけられる。
愛が深いほど…
悲しみは…
果てしない。
締め付けられるような苦しみと共に、人は知る。
「愛とは、何なのかを…」
苦しみはないけれど…
知らずに人生を終えるより…
苦しみと共に、愛を知る人生でありたい。
「癌」から得たもの…?
それは…
「自分」と言う「主役」を降りて…
続いて行く「命」の「幸せ」を、心から、願え
るようになった事
当たり前の日々に…
深く感謝できるようになった事
「青い空」
「ひざしのぬくもり」
「小鳥のさえずり」
「自然」のすべてが、私に教えてくれる。
「安心して!死を怖れる事はないよ!命は繋がって行くんだよ!」
神様に、私が願った事は…
ことごとく却下された。
「健康」「健常な子」「苦労のない人生」「富」「才能」「名声」…
つらい時には…
神様に因縁をつけ…
ののしり…
背を向ける…
とんでもないクリスチャンだ。
でも…
一つ何か「つらい出来事」を乗り越える度…
神の深い愛を知る。
「もし、健康だったら…?」
「もし、お金持ちだったら…?」
そんなふうに考えてしまいがちだケド…
「幸せ」は、条件で決まるものじゃない。
更年期の私は…
「不幸」は、すべて夫のせいにしちゃうケド…(笑)
「幸せ」は、与えられるものじゃない。
人生の中の、様々な試練を通して…
自分自身で、育てて行くものだ。
大切なものは、目に見えないという。
「幸せ」も、目には見えない。
一人一人の「幸せ」が…
「あたたかい」もので、ありますように…
幸せはわたしの中にそしてあなたの中に
長々、読んで下さって…
本当に、ありがとうございました。
裕子