朝起きると…

カテーテルを入れた左足だけ、室内履がはまらない。

それに、カテーテルの付近が、うっ血してるようにダルくて…


何度も、先生を呼んでもらったんだケド…

「外来が混んでる」とかで…

結局、先生が来たのは午後…


その時点で…

左足は、まるで「トド!」

右足のほぼ2倍の太さはあったわネ~

とても自分の足とは、思えなかった。


それを見た途端、先生の顔色が変わり…

私は、起き上がる事も許されず「絶対安静!」

CT撮るためにストレッチャーに乗せられて…


ちょうどその時、見舞いに来た夫は…

「なんで、スグ診てくれなかったんだ?」

と、先生を怒鳴り飛ばし…

夫のデカい声が、病棟中にこだまして…


カテーテルの入っていた足の付け根から、お腹にかけて、巨大な「血栓」ができていた。

血栓が肺に飛ぶと「ヤバイ」らしい。


私はストレッチャーの上で…

すでに…「生き仏」になった気分…


「癌の方が、まだ、マシだったナ!だって…今日、明日、死ぬわけじゃないし…」

「でも…誰だって、遅かれ早かれ、必ず死ぬんだし…」

「でもサ…死ぬって事は生まれてこれたからなんだよネ~」

「みんな誰でも…「億の競争」に勝って受精して…生まれてこれたんだよネ!」



よく「平凡な人生」って言うケド…

「平凡」にすら、なれなかった私の人生…

でも…


3人の子供達と過ごした日々は、なんて輝いていたんだろう!


「自閉症」という「障害」は…

ホント、一筋縄ではいかない。


でも、△男と共に過ごす中で…

私の曇った目は洗われ…

たくさんの事が見えるようになった。


「神様、私に、△男を預けてくれて、本当に、ありがとう!」




その後、何とか、事なきを得て…

退院できた喜びを、今も忘れない。


「退院、おめでとう!」

夫と×男が用意してくれた紅白のシクラメンが、日差しの中で輝いていた。



時が過ぎてみると…

「反省用・独房」で過ごしたような、この入院生活が、私に与えてくれたものは大きい。


「幸せ」を感じるセンサーの設定が、ものすごく低くなったの…


だから…


みんなが、当たり前と思っている事が…

私にとっては…

ニコニコ微笑んでしまうほどの「幸せ」


「食事ができる事」

「お風呂に入れる事」

「歩ける事」

「外出できる事」

そして、何より…

「家族と過ごせる事」


当たり前の日常が…

こんなにも、ありがたい事だったなんて…





続きは、また、明日…



チューリップオレンジ裕子