友人からDVDを借りた。
「ザ・ノンフィクション」
3年前のもので…
プロのウィンドサーファー飯島夏樹さんの物語だ。
書籍や映画等で、ご存じの人も多いと思う。
夏樹さんは、2005年、38才で、肝細胞癌で亡くなられた。
DVDの中には、まだ幼かった4人のお子さんと奥様の、その後も、取材されていた。
私が初めて、飯島夏樹さんを知ったのは、10年以上前だから…
その時、私にとって「癌」は遠い世界だった。
その時は…
ひたすらに「癌」が怖ろしくて…
飯島さんご一家が、かわいそうで仕方なかった。
そして…
夏樹さんが「死」」というものを前にして…
ナゼそんなに穏やかな表情でいられるのか、理解できなかった。
今…
自分が同じような立場になってみて…
夏樹さんの「言葉」の一つ一つに、深く頷く。
私は、夏樹さんと同じクリスチャンだ。
だから、よけいに共感できるのかもしれない。
「死」というものに対する考え方は、様々だ。
「死んだら、TVの電源を落とすように、無になってしまう」
そう考える人にとっては「死」とはそういうものだろう。
クリスチャンにとっては…
「死はこの世との別れ、自分という肉体との別れではあるけれど、天へ帰るのだから、愛する者同士はまた、会える」
そう信じている。
そうは、いっても…
この世との別れはつらい。
みんな、なるべく長生きしたい。
だって、せっかく、この世に生まれてこれたんだもの…
人生は一度きりだもの…
そして…
いくら天国で、会えると言ったって…
確証はないし…
早逝した人と長生きな人とじゃ、また会える日までが、長すぎる。
夏樹さんは…
ご家族との、この世での別れの寂しさを隠す事なく
「こんなに、涙ってあるんだってほど泣いた」
と、正直に話している。
夏樹さん亡き後の奥様の大変さは、想像に余りある。
「自殺を思う瞬間もあるほどだった」
と、これまでを振り返っておられる。
そして、今、お子さん達は、なんてまぶしく、立派な大人になったんだろう!
夏樹さん、奥様、それぞれの面影、志を、しっかり受け継いでいる。
大切な人を想う気持ち…
「愛」は、ちゃんと繋がって行く。
たとえ、この世とあの世に引き離されても…
同じこの世にいても…
想い合う気持ちがなければ…
そこに、熱は生まれない。
無機質な関係があるだけの事だ。
「幸せ」に溢れた飯島さんご一家を
「かわいそう」
なんて、思った昔の私を、今、私は恥じる。
私達は、日々「小さな死」をくり返している。
古いアルバムを開けば…
ふっくらとした頬の子供達は、もう、どこにもいない。
まるで別人のように大きくなって…
長女、次男は、独立し…
日々、会う事はない。
でも…
常に、心の中で彼らを想う。
愛する人を失った、残された者はつらい!
でも、こうは考えられないだろうか…?
会えない距離で、お互い暮らしているようなものだと…
「会いたくて、会いたくて」
泣き続ける人の傍らに…
必ず亡き人の魂はある。
目に見えるものしか信じない無粋な人には、わからないかもしれないけど…
亡き人を忘れて…
人生を楽しみ、笑う時…
亡き人に対して、後ろめたく思う必要なんかない!
あなたを心から愛してくれた人なら…
あなたの「笑顔」こそ、望んでいるはず!
「いつかまた、必ず会える!」
私も、飯島夏樹さんと、同じ思いです。
裕子