北斗さんが、無事退院されたという記事を見た。

とりあえず、第一関門を無事通過されて、なにより…


やっぱり「癌」はイヤな病気ですね。

「手術」が終わっても…心の底から「よかった」って、思えないもん…


術後は「リハビリ」「放射線」「抗癌剤」といろいろ…

でも、それで「治る」という希望があるうちは、まだ恵まれている。


私はもう「手術」の対象には、ならないし…

ステージ別「5年後生存率」をみると、ゾッとする。

「15%」だって…


けれど、別に、ここで愚痴るつもりはない。

早期発見で、真面目に治療をがんばってきたんだから、悔いはない。


これからだって、まだ「希望」を捨てたわけじゃない。

8月に、毎晩、苦しめられた「痛み」が「医療用麻薬」によって、治まっている。ムクムクと回復し、この2週間は、杖も使っていない。

「癌」の「完治」はのぞめなくても、共存しながら、元気に、5年後、まだ生きているかもしれない。


…と、同時に、伝えたい。

確かに「癌」はイヤな病気だけど…

「大切」な事を気付かせてくれる「チャンス」でもある。


「末期」に転落するまで、気持ちは、ひたすら「治す」という方向にむかっていた。

人間って…ある意味「オメデタイ」

誰でも「致死率100%」なのに…自分には、それが起こらないような気がしている。


でも「末期癌」ともなると…そう、のんきにはなれない。

「命って何?」

「生まれてきた意味って何?」

「生きるってどういう事?」

「家族って何?」

「愛って何?」

そんな事を真剣に考える「チャンス」をもらった。


時空は、変わった。

人を見る目も、変わった。

自分も、変わった。

価値観が、変わった。


たとえ「死」が近いとしても…

今は…「自分がかわいそう」「病に負けた」とは思わない。


「末期癌」だけど…

日々を、楽しみながら、暮らしている。


「空」は以前より、青いし…

「今」こそが「永遠」だと、心で、わかっているから…



雨くもり晴れ 裕子