私が未だ小さかったころ
何処へ行くためだったのか
父母と母に抱かれた弟と四人で船上にいた
船といえば青森から函館としか考えられない四人の行き先
デッキの上で弟が母の首元に光るネックレスを手で引いた
パラパラン と水晶たちは散り散りになってしまう
多分数個は海へ吸い込まれるように転がっていった
父と母と素早く拾い上げたのだが繋ぎ直した長さは5個分くらい
短くなっていた
母の首には少しきつくて私のところへやってきたときは
最初の持ち主の叔母は亡くなった後だったので
大好きだった叔母からのお守りとしてずっとしまってあった
今は触ってみる余裕が出来た
船上でバラバラになった時のことを鮮明に覚えていて
それはそれは不思議な感覚で残っている
石の輝きでデッキが光っていたからで
美しい限りだった
