未熟ジュクジュクな自作小説です。

ご了承を。




レアルはあたしの事を覚えていないのだろうか?

あたしは覚えてる。


6年前、あたしはある組織に売り飛ばされた。
組織では汚れた仕事をさせられた。
毎日毎日そうだった。
雲が飛び去ろうと、時が過ぎ去ろうと、同じことしか繰り返していない毎日。

だけど、そんな毎日から逃げ出した。
見張りの目を潜り抜け、壁を越え、あたしは逃げた。

着ているものもそのまま、足も裸足で、持つものは何もなかった。
三日三晩走り続け、あたしは疲れ果てて川べりで眠ってしまった。

次の日は全く体が動かなかった。
その晩あたしは組織の連中に遭ってしまった。
あたしを掴み、引き、殴り、捕まえた。
あたしは必死に抵抗し、ついに組織の一人が刃物を持ち出した。
あたしは必死に逃げた。だけど、誰かに捕まれ、脚にナイフが突き立てられた。

血管が悲鳴を上げた。血が溶岩に変わったようだった。

あたしはがむしゃらにもがき、川に落ちた。
幸い川は浅かった。

だけど、全身が水の中に沈む。酸素がすべて二酸化炭素に変わって苦しくなってくる。
痛みが増したが、すぐに引いた。
息も出来るようになった。
きつく閉じていた目を開いたが、髪から滴る水の所為でよく見えなかった。
ただ柔らかい太陽のような光があった。
いや、草のようだ。疾風になびき、煌めいている。

「大丈夫? 立てる?」

春の風のようだった。

身体が軽くなった。

荒い息が聞こえなかった。

その人の目は草原のような緑だった。

夢にまで見た外の世界。

この人こそそれだ。


それがレアルだった。

今、彼は本当にあたしの事を忘れてしまったのだろうか?

エルフだという事もあたしはあなたから直接知ったんだよ。
あたしが叫んでた理由もあなたならわかるはずだよ。
きっとエルフと人間の歳の取り方は違うからわからないんだ。きっと。

だから、もう一度最初からかな。

もう一度一緒に過ごそう。
そしたら、あたしを思い出してくれる。

あたしがあなたを好いていた事も。

あなたが私を想っていたくれた事も。

いつか絶対に。



続く