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一番目に咲いた。おもわず、この短歌が想起されます♪
 
       たのしみは
 
       朝おきいでて昨日まで
 
       無かりし花の咲ける見るとき
 
 
 
 総(花弁に見える部分)が5枚のものを4年前 6/14、ここで1輪だけ咲いていたのをみましたよ。
 
 
 
橘曙覧(1812-1868)は幕末の福井に生まれた歌人、国学者です。
心豊かな歌をよみ、『橘曙覧遺稿志濃夫廼舎歌集』を残しています。
その中に52首の連作「独楽吟」があります。
生活の中にある素朴な「たのしみ」をよみ込んだ独楽吟は多くの人の共感を得ています。
 
   たのしみは艸のいほりの莚敷ひとりこゝろを静めをるとき

   たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起すも知らで寐し時

   たのしみは珍しき書人にかり始め一ひらひろげたる時

   たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時

   たのしみは百日ひねれど成らぬ謌のふとおもしろく出きぬる時

   たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時

   たのしみは物をかゝせて善き値惜みげもなく人のくれし時

   たのしみは空暖かにうち晴し春秋の日に出でありく時

   たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無りし花咲ける見る時

   たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつゞけて煙艸すふとき

   たのしみは意にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき

   たのしみは尋常ならぬ書に画にうちひろげつゝ見もてゆく時

   たのしみは常に見なれぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴しとき

   たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき

   たのしみは物識人に稀にあひて古しへ今を語りあふとき

   たのしみは門売りありく魚買て烹る鐺の香を鼻に嗅ぐ時

   たのしみはまれに魚煮て児等皆がうましうましといひて食ふ時

   たのしみはそゞろ読ゆく書の中に我とひとしき人をみし時

   たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食て火にあたる時

   たのしみは書よみ倦るをりしもあれ声知る人の門たゝく時

   たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来りて銭くれし時

   たのしみは世に解がたくする書の心をひとりさとり得し時

   たのしみは炭さしすてゝおきし火の紅くなりきて湯の煮る時

   たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき

   たのしみは昼寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時

   たのしみは昼寝目さむる枕べにこと/\と湯の煮てある時

   たのしみは湯わかし/\埋火を中にさし置て人とかたる時

   たのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時

   たのしみは客人えたる折しもあれ瓢に酒のありあへる時

   たのしみは家内五人五たりが風だにひかでありあへる時

   たのしみは機おりたてゝ新しきころもを縫て妻が着する時

   たのしみは三人の児どもすく/\と大きくなれる姿みる時

   たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時

   たのしみは明日物くるといふ占を咲くともし火の花にみる時

   たのしみはたのむをよびて門あけて物もて来つる使えし時

   たのしみは木芽煮して大きなる饅頭を一つほゝばりしとき

   たのしみはつねに好める焼豆腐うまく烹たてゝ食せけるとき

   たのしみは小豆の飯の冷たるを茶漬てふ物になしてくふ時

   たのしみはいやなる人の来たりしが長くもをらでかへりけるとき

   たのしみは田づらに行しわらは等が耒鍬とりて帰りくる時

   たのしみは衾かづきて物がたりいひをるうちに寝入たるとき

   たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運び思ひをる時

   たのしみは好き筆をえて先水にひたしねぶりて試るとき

   たのしみは庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時々

   たのしみはほしかりし物銭ぶくろうちかたむけてかひえたるとき

   たのしみは神の御国の民として神の教をふかくおもふとき

   たのしみは戎夷よろこぶ世の中に皇国忘れぬ人を見るとき

   たのしみは鈴屋大人の後に生れその御諭をうくる思ふ時

   たのしみは数ある書を辛くしてうつし竟つゝとぢて見るとき

   たのしみは野寺山里日をくらしやどれといはれやどりける時

   たのしみは野山のさとに人遇て我を見しりてあるじするとき

   たのしみはふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき