

田舎には畑一面に競うように色とりどりの小菊を見ることが出来る
小春日に照り輝く様は神々しくも美しい
朝の病院の中庭の片隅にひっそりと咲いている真白い菊のけなげさ
黄金色に盛り上がった丹精込めて作り上げた大輪の鉢植えの優美さ
慶弔どちらにも重宝される菊の花
菊人形の衣装にもなり自由自在にボリューム感のあらわせる花材でもある
皇居で勲章を貰った人があり
恩賜の煙草のおすそわけの菊文様を眺めながら煙をくゆらせたこともあるがあれは菊の香りは
するはずもないが、なにかしら貴重な不思議な味わいのあるような気がした
今思えばどうってこともない普通のタバコであった
花の中にあっては女性的というより中性的な印象を感じてしまう不思議な花だと思う
死んだときには棺おけ山盛り一杯でなくともよいが、せめて野菊の葉っぱつきのを一輪添えて
もらえたら往生できそうに思うが、死んだときのことなどはどうでもよい
赤子ではだかでうまれた時と同じ、裸でおさらばすれば充分かもしれない
この世に未練を残さないように花を見るたびに心にイメージを焼き付けておこう
店先の花も写真の花も花束も涸れてゴミ箱に投げ入れられても 菊は 菊である
ところで、どんなイメージだろう?vv菊を心に思い浮かべる時、それは
野菊 畑の菊 そして鉢植えの菊 あるいは 写真か 造花か 花束か 一