






つわぶきの黄色の花が眩しい
小鳥の鳴き声 雨の雫の音 静寂の中に響く
オルガンと修道女の唱声が冴えわたる
昔いたあの人は もう会うことも無いだろう
あの人の母の面影が
ピエタの像のマリアに重なって見えたこともある
大きな桜の幹には
ぽっかりと大きな洞ができている
幾年月もかわらないあの時とおなじ景色
すっかり代わってしまったものも
そこにはある
彷徨する子羊は私
邂逅の時
牧人は そこにいる
司祭はぶどう酒と水を飲み干し 皆にパンを裂いて配る
あの日とおなじように いただいた
狭い前室を抜け 門を出て
さあ未来への旅立ちだと
告げるように つわぶきの葉には朝の露が光る
(by R・S)
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勧君金屈巵 このさかずきをうけてくれ
満酌不須辞 どうぞなみなみつがせておくれ
花発多風雨 はなにあらしのたとえもあるぞ
人生足別離 さよならだけがじんせいだ (井伏鱒二訳)