ルージュ インタビュー | FRAPER~「RAP」という名のGIRLS PUNKバンド

ルージュ インタビュー

「BLANK AGE CLUB」より

1988年3月


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B:バンドを始めたきっかけから話してもらえますか?


R:中学の頃から色々バンドやっていたんだけど

 84年にNISHIKIとKAORIちゃんと、

 前のドラマーのMISAと「やりたいね」

 「じゃやろうか!」みたいに何も考えず始めちゃったの。


B:最初からオリジナル?


R:みんな好きなバンドが違うでしょ。

 だからMISAちゃんが「ピストルズのカバーやろう!」とか言うと

 私が「嫌だ!」とか反対しちゃって。

 カバーが全く出来なかったの。

 だから初めから全部作らないといけなかった・・・


B:団結し始めたのは何時ごろでしたか?


R:う~ん。音楽性を1つにする事は出来なかったの。

 例えば、私が作った曲でもギターは好きにしていいよって

 それぞれのパートで我を通せるようにして

 自然になった・・・団結というより我の通し方を覚えたみたい。


B:メンバーと合わなくなったりしませんか?


R:詩に関しては任せて貰っているの。

 ・・・歌うのは私だし。

 そうね、私にとったらRAPは家みたいなものなのね。

 取り合えず今は私とKAORIとで守っている感じ。

 新しく入った2人のメンバーは新しい住居人でね

 そこからお嫁に行ったり引越したりはあるだろうけど

 1つの家にいて、その中で、皆で1つのものを作っているの。

 だから詩や歌に関しては私の部屋で

 他の人はそこに入らないって雰囲気あるな。


B:近頃の予定は?


R:ライブを暫くやらないかも知れない。

 新曲を作らないとダメなのね。


B:という事はレコーディング?


R:夏にはしたいな。

 今回メンバー二人がレコーディング経験ないから

 慣れて欲しいのね


B:LPの予定は?


R:初めにシングル出して、それに続く感じでLPにしようと思ってるけど

 取り合えず6月まではライブを控えて曲を作ろうと思ってます。


B:衣装のイメージとか考えたりしますか?


R:こだわってることは、こだわっている。

 イメージとしてはね、ヴィスコンティの映画みたいなの着たいな。

(注:RAPの衣装は手作りなんだそうです)


B:最近考えている事ってありますか?


R:う~ん。そうした方がいいと思っている事なんだけど

 ゴミをね、”生ゴミ”と”ビン・カン”とか分けるって事・・・


B:ええ・・・(ちょっとびっくりしている)


R:あのね、去年の夏、リザードのジャケットを撮っている所を

 ビデオに収めてって言われて、

 カメラ持って夢の島に行ったの・・・・

 思ったよりキレイで花が沢山咲いててね・・・

 でも、ふと見ると土にビニールが沢山混じっているの!

 ショックだったな・・・

 それで、よく見たら周りの草ってみんな生命力の強い草でね。

 それが「キリン草」とか花粉症の原因だったりするわけ。

 それ見てて”自分の罪だな”って思った。


B:”死”について考えている事ありますか?


R:今度の曲で1曲、脳死の曲があるんだけど

 それは私の、おじいちゃんが脳死状態で死んだ人でね、

 私達のエゴでずーっと生かしてたんだけど・・・

 死んだ時の顔見たら”死”って怖いと思ったのね。


B:その曲について少し教えてください


R:はい。その曲っていうのは

 死んじゃった魂が、ベッドに横たわっている

 自分の身体に向かって話しかけているの。

 「なんでアナタはそこにいるの?私はココにいるのに」

 って。「私はアナタにサヨナラを言いに戻ってきたけど

 アナタはどうする?」って歌なの。


B:どういう状態の時こういう詩が浮かぶんですか?


R:おじいさんが亡くなったのは何年も前の事だけど

 そういう事を思い出したりとか・・・

 私、病院でアルバイトしてたのよね。

 そこで沢山人が死んだのよ・・・

 そういう時、やっぱり死ぬっていうのは

 TVみたいに簡単なものじゃないなぁって。


B:そうですよね。死なんて何時来るかわからない。

 毎日NEWSとか見ているとマヒしちゃうんですけど

 明日はわが身かも知れません。


R:でも一瞬で死ねる人って幸せだと思う。

 すごく苦しんで毎日点滴したり、

 床ずれっていって長い間寝ていると身体が腐ってくるの。

 そういう風になって死ぬのは苦しいよね。


B:私、死ぬのってあまり恐ろしいと思ってないんです。

 天国で、どうしても私にしか出来ない仕事があって

 呼ばれて行くって考えているんです。


R:私は死んだら何処にも行きたくないな。

 前「ラブソング」って曲を書いたの。

 その曲は、もし死んだら大気になってアナタを包んでいるって曲で

 ・・・それが夢なの


B:あ!それって島田雅彦の「未確認尾行物体」って本に

 出てくる考え方!


R:そうなんだー。

 でね、私が死んだらね、ほとんどのものは

 誰かにあげられるようになっているの。


B:えっ?所有物とか?


R:内臓


B:え~!?バンク?肉体に執着ないですか?


R:それはない。でも魂に対する執着はあるの。

 でもさ、肉体として誰かの内にいても

 魂ってなくなっちゃうんでしょ?

 それが悔しい!成仏したくない(笑)

 親とか友達の周りにいつもいたいな。


B:バンクってすぐ入れるんですか?


R:うん。アイバンクとかはね。

 私のおばあちゃんがアイバンクに入っててね。

 死んだらすぐ係の人が来て、

 目を取り出して義眼を入れたの。

 そしたら死んだ時のやつれた顔が、すごくキレイになって

 誇らしげに見えたの。

 それで母と私とでアイバンクに入ったんだけど・・・

 今の日本って死んだら焼いちゃうでしょ。

 どうせ焼くならあげた方がいいじゃない。

 腎臓とかは難しいかも知れないけど。


B:延命についてはどう思いますか?


R:そうね。脳死の場合は考える事がないから

 もうその人じゃないと思うの。

 それを生かすっていうのは・・・私だったら嫌だな。

 でも植物状態でも脳だけ生きている人っているでしょ?

 そういう人は夢とか見ているかも知れないし

 例え身体を機械にしても人間として思考するよね・・・


B:色々なことを考えているのですね


R:私、「世界中の事を全部、自分の事のように思っていたら

 疲れるからやめなよ」って友人に言われたの。

 でも、もし自分に起ったとしたら・・・を

 考えなきゃいけないと思ったの・・・

 ・・・それに対する対策とかも・・・

 身近なものとして考えてみた方がいいと思う・・・

 何に対してもね。


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このミニコミでは「RAPのルージュ」というより

一人の人間としてのルージュの魅力が溢れていました。

ゴミ問題、脳死、延命問題、臓器移植・・・

18年前からすでにルージュは心を痛め

その問題と向き合っていたのかと・・・

こういう人だからああいう詩が書けたのだと

今読み返して思います。