NISHIKIインタビュー | FRAPER~「RAP」という名のGIRLS PUNKバンド

NISHIKIインタビュー



1986年12月「A-TO」より


ーHYSTERIAについて。3部作を振り返ってー


今丁度、曲の最終的な仕上げに入っている時なんだけど

今度のルージュの詩やコンセプトがすごくいいんだよね。

私は私なりにルージュの詩を受け止めてギターをのせたの。

今回のコンセプトは「女性」っていうか、そこら辺の女じゃなく

”本来の女性”。そういうのでしょ?”あるべき姿”みたいな。

楽器でいったらギターって女っぽい楽器だと思うのね。

一番繊細っぽいというか、感情の出るパートだと思うわけ。

だからそういう面で、いかにそのコンセプトを表現するか、

詩を知らなくてもギター聴けば内容感じ取ることが出来るような、

そんな感じのギターを弾きたいと思ってる。

曲にも自信あるし。


3部作を自分なりに振り返ってみると1stはもう、

がむしゃらに”弾く”って事ばかり考えてたのね。

モモヨさんに1曲1曲の音の処理とかをどうするか注文するときも

すごく抽象的なことしか言えなかったし。

でも1stにしては我ながらいい出来だと思うよ。

友人に聴かせても結成間もないバンドとは思えないって言ってるし。

2ndはね、よくZELDAっぽいとか言われるけど

私達にしてみたら「何処が?」って感じなのね。

あれはRAPの影の面を出したかったの。

日本人の悪い癖よね、すぐ「何っぽい」とか。

一番嫌なのね。そういうのっ!

自分としたら1stに比べると成長したなぁと思う。

少しゆとりも出てきたし。

3rdはね、バンドの中で色々あって気持ちも高ぶっていたし

ミサが脱けることも頭にあって。曲は一番好きな3曲だし

一番評判の良いレコードだけど、自分で今聴いてみると

出来とは裏腹に乗り切れない感情が出ちゃってる様な気がするね。


ーギターについてー


本当は私はキーボーディストだったんだけど何か物足りなくなっちゃって。

好きなミュージシャンにギタリストが多かった・・・っていうのが

ギターを持ったきっかけかな。18の時。

その頃ルージュと知り合ったんだけど。KAORIともGIGで顔合わせてたり。

夢はね、これから何年かかってもいいから

「NISHIKIのようなギタリストになりたい」って言われるようになりたいね。

特にこれからバンド始める女の子の目標になれたらいいなと思う。

かっこいいギタリストって男に多いじゃない?

女でカッコイイっていわれているギタリストっていうのも男まさりだったり。

逆にSEXYさを売り物にしているんだったり。

”女らしさ”ってそういうのじゃないと思う。

「HYSTERIA」でルージュが歌っているみたいに、

”精神的な強さ”っていうかそんなものを持ったギタリストっていいと思う。


ーRAPについてー


これが出る頃、きっと季節だろうからクリスマスツリーに例えるけど

ドラムやベースのリズムがツリーだとするとボーカルは一番上の大きな星で

私は周りの細かい飾り。どれ1つ欠けても、クリスマスツリーらしくないよね。

RAPはメンバー1人1人がいて初めてRAPなんだと思う。

RAPにこれから必要なことって他のバンドにない個性の確立なんじゃないかな。

私達って1人1人人間的な個性ってすごく強いじゃない?

その個性をどう音に生かすか。

ギターの音だけ聴いて「あ、ニシキのギターだ」って

わかるようにしたいなと思う。

あとストーンズに例えてみて「ミックとキースは知ってるけどDsとBはわからない」

っていうのは嫌なの。

そういうのはバンドやってる意味ないじゃない。

バンドはやっぱりメンバー1人1人集まってバンドだからね。

RAPはそういうバンド。

私はいつもバンド組んでも長続きしなかったのね。長くて半年。

だから、みんなびっくりしてる。珍しいって!

これまで何も無理なく続けてこれたっていうのは

やっぱり人間関係が上手く行っていたからだと思う。

喧嘩も多かったけど、その分心の中を曝け出して付き合ったし・・・

それに妥協もしなかったし。

とことん喧嘩していい方向を見つけていく・・・みたいな。

お互いの表現の欲があるから妥協してたら絶対ダメになっちゃう。

STUFFとか周りの人達に恵まれているし、良き友人に巡り合えたから

本当にRAPやってて良かったと思うよ。


ーブランクー


GIGをね、昔は多い時月4回位やってたんだけど

その時は”作品作り”っていうより目先の事ばかりに囚われてたって感じがあったのね。

GIGとかやらなかった、この何ヶ月間じっくり考える時間というか

余裕が出来たのは良かったと思う。

新しい事にもトライ出来たし・・・・

今迄だったら3連なんて考えもしなかったんだけど、そんな曲も出来たし。

ある意味でRAPの成長期だったんじゃないかな。

そんなことから考えるとすごく貴重な時間だったと思う。

ライブはすごくやりたかったけど・・・

Dsが決まらない時期はどうしようもなかったし。

KINTAが入ってからすぐLPの話が来てね、色々準備しなくちゃいけないし。

GIGとレコーディングの両方じゃ、どっちも中途半端になっちゃうし、

だからあえてGIGの数を減らしたってのもあるね。


とにかく・・・・

今度のLPは1つ1つの音も聴き逃して欲しくない!

ただの♪ドレミ♪だけでも思いいれが違うし・・・

これからのRAP、長い目で見てやって下さい・・・

私達は亀みたいに進むのが遅いかも知れないけど

必ず兎を追い越します!