引き続き,2階と3階のことを考えていこう。
何階の話かは不明だが,昭和8年11月18日には菊の栽培の愛好家による品評会が開かれ,90鉢を超す出品があったらしい(注1)。
昭和22年11月1日には,2階に東邦生命保険相互会社(注2)の高知支社が開設されている(注3)。しかし,2階全部がこの会社のオフィスだったとはどうも考えにくい。ということは,呉服や洋品を売っている店の片隅に会社の事務所があったということだろうか
。
昭和31年9月21~23日には,第2回の安芸市美術展覧会,いわゆる市展が安芸市中央公民館,教育会館,安芸高校,そして黒岩デパートの4カ所で開かれている(注4)。これも階は分からない。
交差点の角に面した湾曲部分。3階と思われる。
外側から見るガラス窓はこのビルが歩んだ歳月を感じさせていたが,内側にはアルミ製と思しきインナーサッシが後付けされていた。よく見ると右下に前田時計店の赤いテントが見える。戦前もここから階下を見下ろしながらライスカレーを食べていたのだろう。「生卵落としてぇ!」とか「ウスターソース無いぃ?」とか言うおんちゃんもおったに違いない。
その頃,階下には,前田時計店の北隣(南隣?)に精養軒(注5)というお肉屋さん兼料亭があったという。
【注】
1.
栗尾結城,
精養軒は明治40年に創業。このお店は現在,高知市を中心に喫茶店(コーヒーショップZUMZUM),学校内食堂の運営などを行う企業,有限会社ZUMZUMとして継続している。

