かわら版-WEB-
蘭と月店舗で配布している、毎月発行の「かわら版」
お香の話やスタッフが描いたイラストなど。
手書きの雰囲気がほっこりするとお客様に毎回好評です。
蘭と月からの「季節のお手紙」としてお読みいただければと思います
「香木」
香りのする木
香木には、白檀(びゃくだん)、沈香(じんこう)などの種類があります。
(白檀)は4〜50年以上育った木の中心部分で、常温で香ります。
英語名から「サンダルウッド」とも言われています。
(沈香)はジンチョウゲ科の樹木に傷ができ、再生過程で長い年月の中、
樹脂が固まったものです。白檀とは違い、常温では香りにくい特徴があります。
(伽羅)は、沈香の中でも最高級の香木です。
長い年月をかけて
自然から届けられる香り。
お香一本一本、より大切に思いますね。
[新企画] 工場長に聞いてみた!
蘭と月の「香」の作り手である薫香師 樋口喜巳(工場長)にお話をうかがいました。
伝統工芸士である工場長の、作り手としての感覚であったり、香への想いを深堀りし、
蘭と月が作り出す「香」のバックグラウンドを知っていただけるようなコーナーです。
今回は、かわら版タイトル「香木」にちなんで、香木について聞いてみました。
Q1. 香木を選ぶ際に、こだわりなどはありますか?
こだわらないのがこだわり。
香木に限らず香りのあるものをブレンドして新しい香りを作る。頭の中をまっさらにして作る。
Q2. 長い間、香木を扱ってきたと思いますが、時代と共に変わったことはありますか?
昔は質のいいものが当たり前だったが、今は香りが薄くなって質が落ちてきている。
良い香木は油分が高く、色や香りもしっとりしていた。
Q3. 香を作る過程で、白檀、沈香、それぞれ扱いに気をつけていることはありますか?
それぞれの持っているものを最大限に引き出すように心がけている。
Q4. 一番お気に入りの香木はありますか?
それぞれの良さがあるので選べない。良い香りのものが良い。伽羅を使ってみたい。
質の良い年代物の白檀(粉末状にしたもの)を触らせてもらったスタッフによると、
「実際に触った時に、しっとりとしていて握ると塊ができるほど。色も比較すると分かりやすく鮮やかで、香りは何にでも合うような優しい香り。」であるとのこと。
長い年月をかけてできる香木。高品質な沈香が作られるのにかかる年月は、100年〜150年と言われ、世界中で価値の高いものとして取引をされています。
白檀はインドのマイソール産が最高級とされていますが、数十年かけて育ったものが高品質とされているため、昨今では供給が追いつかず、良質な香木として育つ前に取引をされてしまうという現状です。
そのため質の良い材料を手に入れることはとても難しく、香木自体が今や希少なものとなりつつあります。
このようなことも、工場長のお話にある「昔は質のいいものが当たり前だった」というところに繋がる背景かと思います。

「こだわらないという、こだわり」こそが香りを生み出すキーワード
工場長のように長い間香りと向き合う中では
好みや印象なども強くなっていくものと思っていました。
ですが、その感覚(こだわり)は香作りの過程で、邪魔をしてしまう。
常に頭をまっさらにして香りと向き合う工場長の感覚こそが、
蘭と月の変わらぬ香りや、新しい香りを生み出していくブレない芯となっているようです。
今回、工場長にインタビューし、香木のお話はもちろんですが
薫香師の「香」との向き合い方を垣間見ることができました。
お客様からも、「薫香師についてもっと知りたい」「工場長のお話を聞きたい」という
多くのご意見、ご希望をいただいております。続編もぜひ楽しみにお待ちください!


