山川です。
先日、石川美南さんが第4歌集『架空線』を出版されました。
装幀は花山周子さん、装画が尾田美樹さん。
その3人のトークショーが9月24日に国分寺の胡桃堂書店(兼カフェ)で開催されました。
批評会は一般的ですがこういうトークショーというのはめずらしいのでは?と、始発の新幹線で行ってきました。
https://twitter.com/kurumidoshoten/status/1044760756170895360
歌集ができあがるまでの過程が聞けてとても面白かったです。
三人とも(各自で)川下りクルーズに参加して歌集のイメージをさぐったとか
石川さんが歌集のイメージを具体的な言葉にして装画の尾田さんに伝えたこと
尾田さんが
橋や水の流れの絵から極限まで選を省いていった結果、第Ⅰ章の線が最も時間がかかっているとか。
Ⅰ~Ⅳ章の扉絵が抽象からじょじょに具体になっているとか
そうやって描かれたものを花山さんが受け取ってまたイメージを共有しながらデザインしていかれたこととか
三人で作られた歌集なのだなあと思いました。
私は石川さんの歌集を読むといつもとても歌を作りたくなる。
あとがきに
「たとえあなたが忘れていたとしても、私は私の歌を通して、あなたとの思い出に何度も立ち返ることができる。そこへ至る道を知っているのは私だけで構わないし、私の歌を読んだ人が、私の記憶とは全く異なる世界に辿り着いてくれるとしたら、それはそれで大変嬉しいことだ。短歌とは、そういうものであっていいのではないだろうか。」
とある。
石川さんの歌には詠まれている場所の空気なども内包されている感じがして、読んだ時にうけとる密度が非常に濃い。
それが私の記憶を刺激して、自分の中にたくさんの物語が埋まっている気にさせてくれて、結果、歌が作りたくなるのだと思う。
何かを色々思い出して、書き留めなければという気にさせてくれる。
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「沼津フェスタ」より四首
水族館に服部真里子の目は光り「蓋ぜんぶあけた、電気ぜんぶ点けた」(35ページ)
富士山をみんな好きなり口々に名を呼びながら船尾に寄つて
絶え間なく著者近影を撮り合つて老いさらばへてゆくべしみんな
「ふじはに」で切れたる歌を「ぽんいちのやま」とつないで旅閉ぢてゆく
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〈僕のこと覚えてますか〉会ふたびに尋ねられにき 覚えてゐたり (88ページ)
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迫りくる津波が滝のやうだつた海に真向かふ観音の目に (165ページ)
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花山さんは歌集『いらっしゃい』の装幀家でもあり、会場ではこれまでに手掛けた装幀の本の中に『いらっしゃい』も置いていただきました。
またトークショー当日は「いらっしゃい新聞3号(花山さんインタビュー掲載号)」を配らせてもらいました。
ありがとうございます…
トークショーのあとは2階のカフェで食事をしたりおしゃべりしたりまったりと過ごしました。
1階の書店で初めて自分の歌集が売れるところ(レジで会計されているところ)を目撃してテンションがあがり
カフェのみんなのところに戻っていきなり「ちょっと!買ってたんだけど!」と主語のない自分語(じぶんご)で主張してしまいました。
そして紀伊國屋書店 新宿本店さんへ
『架空線』コーナーをチェック。
ヤマカワワールドは健在
サイン本を作らせてもらいました
その後、東京駅に戻るのに中央線でなく山手線(遠回り)に乗るという凡ミスを犯して余裕なくなりながらもお土産を買い無事に帰名。
充実した一日でした。
皆さまありがとうございます
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