ここ一カ月、毎日が同じで、こころが少しずつ弱っていくのがわかった。
わたしには自由がなくなった。
家族が増えるとは、そういうこと。
そう思って、しあわせと思うようにしていた。
実際に平凡は幸せだけれど、私以外の家族、義家族は、外へ出て、他人と交流して、社会とつながっていて、それがうらやましすぎた。
ストレスのはけ口が、たばこの人はいいよね。酒の人はいいよね。バンドの人はいいよね。
たのしいでしょう。わたしはいま何ひとつできない。
苦しくて、切なくても、だれにもわからない。そして昨日ストレスは爆発し、記憶が飛んだ。
翌朝、日課の体重測定をすると、1キロ以上増えていた。きっと記憶がないうちに暴食した。
なにをどれだけ食べたか、書き残していない、覚えていない。
こころにコンパスが刺さったように、ズキズキしている。
気晴らしに、実家にある、本をパラパラ読んだ。
「何かに憧れ続ける限り、人は老いることはない」って書いてある。
ステージで、人から拍手されるのが好きだった。キレイ、かわいいって言われるのがうれしかった。また、ステージに上がれるだろうか。ひとりでも、大丈夫だろうか。
好きな歌を、好きなダンスを、見てもらえるだろうか。ヒールを履いて、くるくる踊れる日は来るのだろうか。揺れるピアスを見てもらえるだろうか。
もういちど、顔をあげるように、と自分に言われた気がして。自分自身だけは、自分のみかたでいてあげなきゃ。世界から家族から嫌われても、邪魔だと思われても、自分だけは自分を好きでいてあげなきゃ。