生体腎移植顛末記(11) | 紗羅双樹

生体腎移植顛末記(11)

 順調な回復と退院してきた長男は、

 大量の薬を飲み、大量の水を飲んでいる。


 毎日体重をはじめ色んな数値を図っているが、

時々気分が悪くなるらしく、ぎゃあぎゃあ言っている。


退院後初めての診察は、

父親に車で連れて行ってもらったが、

二回目は自力でと電車で行った。

帰りが遅いので電話をしてみると、

今、東村山に着いたが調子が悪いとの返事。

あと少し待っていれば家にたどり着くかと思いきや、

一向に戻ってこないし、電話にも出ない。


そのうち救急車で女子医大へ搬送してますと

消防署から連絡があり、父親は慌てて飛び出した。

特急から降りて崩れるように倒れたらしい。



入院の支度をしておくから連絡をと、

やっと伝えてスーツケースに詰め込んだ。


日も暮れてから二泊の入院が決まったと連絡が入り、

女子医大へ着いたのは七時を少し過ぎていた。


よく所沢から新宿河田町まで救急車は運んでくれたと

感謝しながら病院に着くと、

状態が落ち着いたから今夜は帰って良い。

明日一泊入院で腎臓の組織を取り出すと言われ、

タクシーで帰路に就いた。


原因は脱水症状を起こしていた事と、

薬が一つ足りなかったこと。


翌朝早く一泊の入院でもパソコンを持参して入院した。

しかし、退院時と同じ数値に戻っているからと入院は中止。


一体何だったのか、アタフタした二日間であった。