生体腎移植顛末記(7) | 紗羅双樹

生体腎移植顛末記(7)

冷たいとは思うが、傷口の痛さはなんともしようがなく

代わることはできない。


レシピエントよりドナーの方が痛いと看護師さんはいう。


今、大量に水を飲まないと残った腎臓が働かないらしく、

せっせとお手洗い通い。


医師の回診時、明日にしましょうかと言われたところの

チューブは、本人が大丈夫なら今外して欲しいと希望した。


寝てても歩いても邪魔であったが、少しずつ自由の身に。

元気が出たようである。


31日朝早く病院に行くと部屋の名前がない。

場所を間違えたかとウロウロしていたら長女からメールで、

今朝、お部屋変わったと連絡。やっと個室に移った。


先日まだベットから降りられない長男がナースコールで

話の分かる人に来て欲しいと呼び

早くから個室は大丈夫と言われていたのに、

病院の契約違反と詰め寄った。


腎臓をくれる妹にせめて個室をと取っていたのにと・・・

ひと悶着があった。


入院期間が短いがせめて最後の二日間くらいは

痛みを忘れてのんびりとして欲しい。


日当たりの良い部屋はまるで温室。


毎日面会時間ギリギリまでいるので、

一緒に新宿の夕日とネオンを眺めた。