生体腎移植顛末記(6) | 紗羅双樹

生体腎移植顛末記(6)

手術翌日から歩かなくてはならないと、早朝から病院へ。

切ったところが痛いらしく 痛み止めの点滴から飲み薬に変った。

腰の痛みも辛く、背中から腰を押したり叩いたり。

何時もやってもらってたが反対になった。

どうも力がなくて効き目はイマイチだと思った。

看護師さんの助けを借りてベットから起き歩くため

室内履きを履かせた時、長女の歩き初めに買った

フエルトの靴を思い出した。

偶然に同じ色であった。

 

  歩き始めたみいちゃんが 赤い鼻緒のジョジョ履いて

  おんもに出たいと待っているという場景が目の前に。


子供の頃を過ごした父の実家の門の中と、

長女の赤ちゃん時代が合成された。


そして、この子に大変な役割を与えてしまって

本当に良かったのか、

まだ、この子の将来は長いのにと 

ポロポロ涙が止まらなくなった。


チューブに繋がれたまま、廊下を歩き

長男の部屋にも寄った。

看護師さんは兄に大丈夫だよと見てもらいに

連れて行ってくださったと思ったが、

私にとっては長女は何も言わないが、本来ならば

同じレベルの部屋に入っていたのにと思うはず。

今日から部屋は個室に変わる筈であるが・・・


痛くてもあまり口にしないで、心配させたくないと

平気な顔をしている。

今まで我慢ばかりしていた。

もう少し自分を出せるようにと

こちらが気を付けなくてはと思う。


お昼から食事が始まる。重湯とスープ。

おなかがすいているだろうと思ったが完食ではなかった。