生体腎移植顛末記(5) | 紗羅双樹

生体腎移植顛末記(5)

12月28日、

とうとう移殖のための手術日を迎えた。

前日はつらい検査があったのではと心配した。


腸の中を空っぽにしなくてはならない為

おちおち寝てられない状態であったらしい。


まず長女が8時半過ぎ手術室に行き、

少し遅れて長男がエレベーターに乗り込んだ。

長女は12時過ぎに戻ってくる予定。

長男は3時頃と言われた。


最近、病院では盗難事件が発生していると

たびたびアナウンスされるので病室2つを親二人で

別々に留守番をすることにした。

長男は病室にパソコンを持ち込んでいるため、

無くなると大変なことになる。

 

お昼過ぎベットを取りに看護師さんが現れた。

長女が戻ってくるまでの時間の長かったこと。


自分のベットへ寝かされたまま戻ってきたのは、

酸素マスクをし、数本のチューブに繋がれ白い顔をして

意識はまだ戻りかけている状態であった。


覚めると痰がでるらしく口を漱いだりティッシュで拭いたり、

腰が痛いと訴える。食事はまだとれない為、

ひたすら眠れるように静かにしていた。

見舞客がドヤドヤ出入りする部屋の隣でなくてホッとした。


今日から退院までは 面会時間切れまで傍にいなくては・・・


腎臓をもらった長男はかなり覚めた状態で病室に戻り、

お世話をして下さっている看護師さんにしっかりと

お礼を言っていた。

夕方覗きに来られたコーディネーターの方が

「ここに戻ってこれたの!」 と驚いた状態だった。

太りすぎの長男の手術は大変で集中治療室行きではと

思われたらしい。

医師から前日お話しした予定通りに終わりましたと

告げられた。