生体腎移植顛末記(3) | 紗羅双樹

生体腎移植顛末記(3)

12月26日、ドナーとなる長女の入院日。


長男が自分にできる事はせめて個室を用意する事

くらいと、個室を用意してくれていた。

が、取れていたはずの個室が空かなくて、

29日からになると直前に病院から言われた。


仕方がないので二人部屋で空くのを待つことにした。

手術日が28日というのに! 


とりあえず指定された病室に行ってみると、

入り口の名札を見て嫌な予感がした。

全てカタカナで表記されていた。

人種差別をする訳ではないが・・・

 

予感は的中した。まだ午前中なのに大きな荷物を持って、

大男が数人ドヤドヤと出入りを繰り返す。

面会は午後一時からである。

一体病院を何と心得ているのか!


 これは大変とナースセンターに部屋の変更を申し出た。

病気でもない者が体にメスを入れるのに、

この騒ぎで不安が助長されている。

個室が取れたと病院からの返事があって

安心していたのにと訴えた。


静かな部屋にしましたなんて、どこが静かなのだろう。

どやどやというのが本当に適当な表現であった。


夕方、

急患の時は隣に患者が入るかもしれないがと言って、

部屋を変更してくれたと長女からホッとしたとメールが来た。


しかしもう一度変更があるため、

荷物はあまり出さないで手術まで過ごすこととした。