焙烙灸 | 紗羅双樹

焙烙灸

 

焙烙灸

 

 鎌倉時代、普段から頭痛持ちの武将が、土用の戦の最中

 鎧兜姿で落馬。

 その時、通りかかった僧が兜の上から握りこぶし大の蓬を

 据え火をつけて祈祷をしたところ、たちどころに頭痛が

 治った という故事に習って、

 日蓮宗に伝わったといわれている。


法華寺

  明治初年、所沢の有志たちによって作られた

  法華経信仰の講社の教会場として発足。


  曼荼羅を本尊とし、鬼子母神を守り本尊として勧請

  されていた。

  明治29年には千葉県中山の法華経寺(日蓮宗大本山)

  から守り本尊としての鬼子母神のご分身をいただき、

  ともに安置されている。


  戦後、講社は消滅したが、昭和29年に現在の長谷川

  住職により宗教法人法華寺が発足。


鬼子母神


   何百人もの子を育てるだけの栄養をつけるために

    人間の子を捕えて食べてしまっていた。

      そのため多くの人間から恐れ憎まれていた。

      それを見かねた釈迦 は、彼女が最も愛していた

      末子を隠した。

      彼女は半狂乱となって探し回ったが発見する事が

      出来なく、釈迦に助けを求めた。


      そこで釈迦は、

      「多くの子を持ちながら一人を失っただけで嘆き悲しん

   で いる。

   それなら、ただ一人の子を失う親の苦しみは如何程

   であろうか」と諭した。


   以後、彼女は子供と安産の守り神となった。


  今年も暑い暑い土用の日に二度目の焙烙灸に

  参加した。



  寺の二階の本堂に上がり、ご本尊にお参りし、ご住職

  の祈祷が始まった。




  本日はNHKと毎日新聞社蚊が取材に来ている。


  参加者の頭の上に護符を乗せ、その上に蓬を三個

  据えた焙烙を乗せ火をつける。

  暫くすると煙で本堂全体が燻され、その間祈祷は続く。






  火が消えるとご住職とが副住職のお二人で木剣と

  経文で参加者の体を、

  「家内安全、身体健全」と大きな声で唱えながら

  なでて終了。





         本尊を燻して果てぬ土用灸


  この寺の焙烙灸の起源は定かではないようだが、

  鬼子母神が祀られた当初からの行事であったとも

  言われている。

 

  暑いさなかの暑い行事ではあったが、

  大変爽やかな経験であった。

  きっと、偏頭痛は退散するであろうと思う。


  夕方のニュースにバッチリ写っていたらしい。