埼玉県某所で、アメリカン・コッカー・スパニエルのブリーダー崩壊がありました。

当日は、私も微力ながら、現場のお手伝いに行きました。


東京から約2時間半。

着いた場所は、のどかな住宅街。

こんな所に、ブリーダーが・・・? と思う、ごくごく普通の住宅街。


作業開始は、10時。

続々と集まるボランティアスタッフ。

閑静な住宅街。犬の鳴き声は一つもない。


「もしかすると、連れて帰れる子はいないかも。。」

そう、もう生きているか分からない・・・・とのこと。


犬の状態を最終確認したのは、3週間前。

その後は、どうなっているのか誰も分からない。

ここ最近、少し暑いくらいだった気候。

もし、お水もご飯ももらえていなかったら・・・・。

ボランティアスタッフ皆が、不安でざわめきました。

念のため、カーナビで一番近い獣医さんを探す。ここから7km。

状態が悪ければ、東京まで搬送する前に駆け込むしかない。



10時。作業が始まる。

家のドアが開けられると、一斉に犬の鳴き声が。


「生きてる」


それだけで、ボランティアスタッフに安堵の空気。

そう、命があれば何とかなる。命さえあれば、あとは私達が頑張れる。

0422

その後も、なかなか進まない交渉。

ただただ、犬達が出てくることを待つボランティアスタッフ。


次々と資材が運び出される。

距離を置いて待機する私達にも、におってくる異臭。

とにかく、たくさんのゴミが出てきている。

子供用の自転車。。。少し前は子供がいたの?

ゴルフセット。。。ゴルフに出かけることもあったの?

木に飾られた電球。。。楽しく飾り付けをしていた時もあったの?



そして、ようやく、ようやく犬達が運び出されてきた。

0422  0422

0422  0422


まだ私達は手を出すことができない。

犬の所有放棄手続きを待つ。


どの子も大量の糞尿を身にまとい、久しぶりなる外の空気、陽射しに戸惑っている。

アメリカン・コッカー・スバニエルは、長毛でお手入れが必要な犬種。

こんな飼い方は、虐待と同じ。


何かを訴え、鳴き声をあげる子。

突然の出来事に、驚き怯えている子。

全てを諦め、動かない子。


それでも、とにかくこうして出てこれた。



その後、犬の所有放棄手続きが終わり、ようやく犬達がボランティアスタッフの手に。

やっと、やっとスタートライン。


とりあえず今日連れて帰れる子たちを選ばなくてはならない。


0422  0422

0422  0422

性別と犬種を確認して、ナンバリングをしていく。

どの子も、たくさんの糞尿をつけているので、とても重い。


本当はみんな連れて帰りたい。

でも、預かりスタッフも会のお金も限られている。

みんなは連れて帰れない。閉じられたトラックの中から、聞こえる鳴き声。

何も悪くないあの子達が、どうしてこんなことにならなくてはならないのか。


0422


その後、各スタッフの車に乗せて、協力トリマーさんのところへ。

都内まで2時間半。

各所でスタッフが待機し、犬達をリレーしていく。


私達も、世田谷方面の3匹を連れて帰った。

0423  0423

0423


糞尿の鎧をまとった3匹なので、車の窓は常に全開。

こんな環境で暮らせる人間がいるなんて、理解に苦しむ。



その後、協力トリマーさんに鎧を外してもらう。

見ているこちらも大変なことが、容易にわかる。

バリカンが入らない。毛の束が、「ゴトッ」と音を立てて落ちる。



Mシュナウザー♀ソルト&ペッパー この子はとても人が好きみたい。→スージー母さん宅へ(プチ)
0422  0422

Mシュナウザー♂ブラック 尻尾をしまってブルブル震えている。怖かったね。→松さん宅へ(プチ)

0422  0422


アメリカン・コッカー♂ブラック この子は立ち上がる元気があまりない。ブルブル震えている。→我が家へ

0422  0422


全てが終わって、アメコカ君を連れて帰ったのが、22:30.

長い、長い一日でした。



当日の詳細な様子は、下記ブログにあります。

2008.04.22 アメリカンコッカーブリーダー崩壊レスキュー



預かり先が足りません。

預かりは難しいことではありません。

どうか、どうか皆様のご協力をよろしくお願いいたします。