ずいぶんと昔になる。(30年以上前だ)

クラシックのコンサートへは趣味半分、勉強半分の気持ちで出かけて行っていた。

ピアノが主ではあったが、オケにもとても魅かれるものを感じていた。

ちょうどジョンケージという作曲家が気になり始めた頃、当時楽譜収集マニアだった自分は、
どうしても欲しい楽譜があり、それを探し求めて渋谷や池袋界隈を彷徨っていたときに、偶然行き着いた場所がアヴァンギャルドという現代曲を中心に扱っていたお店であった。

ケージに限らず、ここでは相当数珍しい楽譜を手に入れたものだった。

有名な 4分33秒 もここで手に入れた。

ちょうどその日は、ケージのカートリッジミュージックという楽譜を探していたのだが、やっぱり
このお店にそれは置いてあった。

見つけた瞬間の高鳴る気持ちは今でもよく覚えている。

今みたいにネットで探してゲット‼️ などというつまらない作業より、よっぽど楽しく貴重な
時間であったように感じる。

その楽譜を持って、たまたまN響の演奏を観に行き、何気なく終わってからのサイン会へと行ったのだった。

ミーハーだった自分にとっては、何よりの楽しみでもあった。

ゴールドに染められた髪にパーマをかけ、肩まで垂らし、いわゆるパンクロックの格好・・当時としては、ましてやクラシックコンサート会場では自分以外にそんな輩はいなかった。

それがサイン会に並んでいるもんだから、順番が回ってきたとき、指揮者であったヴォルフガング・サヴァリッシュさんは相当驚き、力強く自分に握手を求めてきたのだ。

そして優しくドイツ語で自分に語りかけた・・・だがチンプンカンプンだったので、笑ってごまかしてしまったを残念な気持ちで覚えている・・・・。

そして、このケージの楽譜を出してサインをねだったら、またまたビックリされて、パラパラと中身を見ては、納得しながら何かをつぶやいていた。

そのあと、気持ちよくサインをしていただき、またまた力強く握手をされ、こちらとしては感無量であった。

だが・・・残念ながら当時の演奏が何だったか、ぜんぜん記憶にない(⌒-⌒; )。

そのときのサインしていただいた楽譜と若干の中身の紹介である。