1455.【らんな劇場】追憶の銃声 〜君に捧ぐコトバ〜 | 魔道士らんなのトーラムまいご日記

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2015年7月から連続更新中っ


Twitter垢 @Ran_Toram

おはよん(*゚▽゚*)/なぁー
らんです!




今日はらんな劇場なんですが、
今回はサイドストーリー♪

この前、なんかぽーっと
してたらこの物語が
ばばっと降りてきて…っ

急いで書き留めた劇場です。


さてさて今日は、
【らんな劇場】
追憶の銃声ついおくのじゅうせい
を、お届けしまーす!

こんかいはちょっと外伝みたいな
感じなのですが、ご覧くださいませ♪

でわでわ………はじまりまーす!



ぶーーーー(はじまる音)


:*:・♪・:*:・・:*:♪:*:・・:*:・♪・:*:




俺は銃を捨てたんだ…。
もう持つこともないだろう。



これは、ある男の過去の記憶。


苦く、忘れられない過去の記憶。



:*:・♪・:*:・・:*:♪:*:・・:*:・♪・:*:

15年前……

その男はある特殊部隊にいた。

第9特殊部隊 通称「荒鷲」

どちらかと言うと暗い雰囲気の特殊部隊であり、他の部隊とは交流もなく、一線を画していた。

その「荒鷲」に任務が言い渡される。

第6特殊部隊との合同任務であり、山賊に支配された街の奪還が主な任務である。


鬱蒼と茂った山の中。
湿った森を抜け目的地へと向かう。
時折木漏れ日が「俺」の目を軽く灼く。

姿を見せない太陽が…
己の存在を誇示するように。


荒鷲は無駄口を叩かない。
全員が全員、無口なのでほとんど会話もない。隊長でさえほとんど口を利かないのだから……。



そんな俺たちは現場に到着すると静かに定位置に散った。


その理由はただひとつ………

……他の奴らとつるむのは苦手だ。




他人(ひと)に関わり情に流されるなど
あってはならない。

そんな俺たちは与えられた任務を……
黙々と、確実に実行する。

チームでありながら孤独。
ただ、眼の前の敵を倒す。

そう。……ただそれだけだ。


その定位置で「敵」を待つ。
静かに…
静かに…物音一つたてずに。

こんな任務は慣れている。

ひどいときは1週間もの間誰とも会話せずにひたすら時を待った。
まったくといって苦痛は感じない。

……それが俺の生き様だからだ。




そんなときだ……




???「なにしてんの?」

甲高い子どもの声が俺にかかる
男「しっ」

身動きもせず…茂みに隠れている姿は子どもの目にはさぞかし奇妙に見えただろう。


俺は口の前に人差し指を立て、子どもを茂みに隠れさせた。


子どもはやけに嬉しそうに隠れている俺を見上げている。

……何だこいつ……
俺が怖くないのか?
屈託のない笑みを浮かべつつ話す少女に、多少戸惑っていると……



子ども「ねぇねぇ…これ何?
これってどう撃つの?」

俺の持っている銃が珍しいらしい。

それもそうだ。
この銃は先代ザルドの生涯最高級品とまで言われた銃だ。
そんじょそこらのやつには作れっこない。

言葉少なく銃の説明をする俺に
目を輝かせて聞く少女。変わった子だ。



子ども「あ、そうだ。
あたし、チョコ持ってるんだよ!」

ぱきっ!

少女はカバンのポケットを弄ると、取り出したチョコを半分に割り…半分を俺に差し出す。



なんて屈託のない笑顔なんだ…



俺はこんな笑顔をしたこともないし、

……されたこともない。


少女の差し出したチョコをひとかけ口に含む…
甘くほろ苦いその味は、疲れた俺の脳を活性化させる。


チョコを差し出した子どもに
思わず……

生涯はじめて言うであろう、
あるコトバを俺は口に出そうとした。

「ア………」



そのとき!

ひゅん!


短く笛がなった。
攻撃の合図だ!!


俺は弾けるように定位置に身を隠し
銃を構える。
ぱすっ!ぱすっ!

俺の銃は音がほとんどしない。
物静かな俺にピッタリの相棒だ。

俺の相棒は生涯、こいつだけ…
そう、片時も離れたことがない。
コイツと離れるときは俺が死ぬときだ

仲間にも柩に入れるよう頼んでるくらいだからな……。



四方八方からの特殊部隊の一斉射撃により、山賊が面白いようにパタパタと倒れていく。

村人には当てず、山賊だけを狙う。
研ぎ澄まされた職人たちの銃弾は的確にヒットしていく。



山賊は慌てて逃げ惑い、一人、また一人と倒れていく中、生き残った山賊が四方八方に散らばって逃げていく。



!!

その撃ち漏らした一人がこちらに来るのを視認してはっと気づく!

男「おい!俺のそばにいろよ!」

しかし…さっきまでの甲高い返事がない。


男「おいっ!」

キョロキョロ探してみるが少女の姿は無かった。

あの子どもは戦闘に怖気づき、村の方へと走っていったのか…?

姿の見えない少女に気を取られる俺にあの例の、甲高い声が俺にかかった。


『おじちゃん!うしろっ!』
大きな木の裏側にいた少女が
前に出てきて叫んだのだ!

山賊「じゃまだっ!くそがき!」

がうっ!

山賊の手にしたリボルバーが火を吹き
倒れ込む少女っ!

チキショウ!


俺は何も考えずに飛び出していた。
走りながら撃った山賊の土手っ腹に
狙いすました銃弾を3発も入れる。

そして倒れ込む山賊を蹴り飛ばし
少女を抱え起こす…。

脚を撃ち抜かれていた少女は、
痛みに喘ぎながら俺に話しかける。

「ごめんね、
 ………ごめんねっ。
…勝手に…っ、うごいちゃって」



『しゃべるな!じっとしてろ!』


しかし、
男の声は次の音にかき消される!

がうっ!
また至近距離で響くリボルバーの音。

震える手でリボルバーの引き金を
絞る山賊が、『へへっ』と汚く笑い
………絶命していった。

男『がは……っ!』


脇腹に温かい液体が流れるのがわかる。

これは…まずい…

男『ちっ…
俺は…スナイパーだぞ………!
闇に紛れ姿を表さない、スナイパー…』

俺はどうかしていたんだ。
こんな子どものために飛び出すなんて…

しかも…俺の銃は?!





相棒だった愛銃は山賊を撃ったあと地面に投げ捨てられていた。

自分で……相棒を手放したのだ。



俺は……愛銃(あいつ)を捨てたのか……。
まぁ……もう持つこともないだろう。

薄れゆく意識の中…

少女の声が聞こえる。
「…おじちゃん!おじちゃん!」
自分の傷も痛いだろうに…。

なに人の心配してるんだよ……。


ギリギリ残った意識の中、
俺は……最後に…

言えなかった言葉を紡ぎ出した。

男『…アリ…ガトウ』

この子に……ちゃんと届いたかな……
俺の子にも……。



頭を撫でようとしたその手は…
チカラなく地面に墜ちた…。

:*:・♪・:*:・・:*:♪:*:・・:*:・♪・:*:

そして現在……
とあるギルドで活躍する一人の女性がいた。


見たこともない銃を持ち、強力なモンスターをなぎ倒していく、その女性はとてもきれいな澄んだ目をしていた。

その銃さばきは特筆もので、『彼女が狙う前から敵が死ぬ』とまで尾ひれがついて言われるほどで、ギルドの中核を担っていた。



「ふうっ」
帽子を深めにかぶり一息つく女性。
ラカウにこんな景色のいいとこがあったのか…。

女性は目を細め景色を愛でる。



ふと…女性は思い出したように、
がさがさとカバンをまさぐり………

目的のものを見つけだすと、軽やかにニッと微笑んだ。


ぱきっ
チョコをひと欠けかじり、愛銃を担ぎ直す。
嬉しそうに食べる姿はまだ、少女の面影を残していた。



Tireur「ちゃんと……
届いてたよ………。

守ってくれて………アリガトウ」

遠くに見える、あのいつかの森を見据え
……その女性はゆっくりと呟いた。


おしまい

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【キャスト】
アーヴァイン、Tireur(子役)
+Tireur+

制作 追憶の銃声制作プロジェクト
監修 魔道士らんなのトーラムまいご日記
監督 らんな


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はいっ!

ほんとこのシーンが頭にばばばって浮かんできて、普通は三人称で書くんだけどなぜか一人称でした。

これ書いたときはただの原案で、一切キャスティングが決まってなかったんですけど、

これはこの人しかいない!
とTireurさんにお願いしちゃいました。



劇中に出てくる寡黙なスナイパーもTireurさんの持ちパラで『アーヴァイン』さんと名付けられています。劇中ではちんじゃったように見えますが果たして……?

今現在のアーヴァインさんとの関連は…?まだまだ作れそうですね。



でわでわ………

今日も元気に
行ってらっしゃい(o^-')b


またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆




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