私の妄想ですよ
バカバカしい妄想話です





本日二つ目









カズ坊がワシの部屋でゲームして、
翔子さんは夕飯の支度

そとでは夕方の音楽が鳴る
そろそろまぁちゃんも帰ってくる

大野家の日常だ

でもワシはいつもと違う
ドキドキがとまらんし
夜が待ち遠しくて仕方ない


「カズ坊!」

「、、、、、」

「カズ坊!」

「、、、、、」

「おい!カズ!」


「なに?」


ゲームに夢中で、3回呼ばんと
返事をしない孫のカズ


「カズ、ワシと今から風呂に入らんか?」

「え~、、、もう入るの?」

「お前、暇だろ?」

「暇じゃないよ!見てわからないの?」


ゴロゴロ寝そべって
暇だからゲームしとるんだろう?



いつもは、翔子さんが「お風呂どうぞ」と
呼びにきてから入るが
今日のワシはいつもと違う


翔子さんにいつ誘われてもいいように
風呂に入って綺麗にしておきたい。

でも、自分から風呂に入るなんて
待ちきれないみたいで恥ずかしいから
カズ坊を利用しようと思う


「いいじゃないか!」

「やだよ~、、、一人で入れよ」

「頼むよ、、、」

「、、、、、」

ちらっと目線だけワシの方に向けるものの
ゲームをやめる気配はない


「これで、どうだ?」

お札をひらひらちらつかせ
ゲームの上に乗せてみる


「、、、、ったく、、仕方ないな。
今日だけだよ」


「カズが入りたいということにしてくれんか?」

「はぁ?」

「頼む」


両手を合わせてお願いする
もう、土下座でもなんでもするぞ


「、、、わかったよ」


結局、お札をもう一枚渡すことになったが
金で解決できるなら簡単でいいわ


カズは金さえ出せば
言うこと聞きよるからな。
チョロいもんよ




カズは夕飯の支度をする翔子さんの
ところへ行った


そっと後をつけて様子を見に行く


「母さん、今から風呂入りたい」

「あら?まだこんな時間よ?」


「だって、じいちゃんが入りたいって
いうんだもん」

「おじいちゃんが?」


カズの奴、、、さっそく裏切ったな


「うん。なんだか、そわそわしてたよ。
部屋の中をうろうろ歩いてさ。仏壇に
向かって話したり、鏡見てため息ついたり、落ち着きがなかったよ」


「あら、そう、、、」

「何かあったの?」

「えっ?、、、さぁ?母さんには
わからないわ」



カズ、、、ゲームに夢中じゃなかったのか?
ワシのことなんて見とらんかったはず、、。

いつも、気にかけて見てくれとるのか?
心配してくれとるのか?
デキた孫じゃ、、、



「風呂沸いてる?」

「まだよ」

「じぃちゃんが心配だから、僕が一緒に
入るよ」


「ありがとうカズくん。
急いで沸かすから、おじいちゃんのこと
お願いね」

「わかった」



ふむ、、、裏切られたことには
ちょっと納得いかんが
カズ坊は、いい孫じゃ。

金の亡者みたいに言うて悪かった。



「カズくん、これ、、」

翔子さんが財布のなかから
お札を取り出した


「そんなの要らないよ!」

翔子さんからのこずかいを拒否するカズ坊


「いいのよ。いつもおじいちゃんのこと見てくれてるから」

「そんなの、当たり前だろ」

「そうだけど、、母さんの気持ちだから」


カズ坊の手を取って
無理やりお札を握らせる


「、、、、じゃあ、もらうね」

「おじいちゃんの様子、見といてね」

「わかった!」



翔子さんは風呂場に向かい
カズ坊はワシの部屋へ戻っていく

廊下にいるワシの目の前に
お札をひらひらさせながら


「ラッキー!母さんなんてチョロいもんよ」

「、、、、」


「じぃちゃん!風呂はいるよ!」


カズ坊、、、
お前ってやつは、、。