私の妄想です

拙い妄想話です









肝心な話ができないまま

時間が過ぎる


「翔、これからどうするんだ?」


横になったまま親父が

口を出す



「どうするって、、アイツとは

連絡もとれないし」


「この子はどうするんだ?」



「俺にもわからないんだよ!朝起きたら

アイツがいなくなってて、コイツと二人になって、わけわかんないし」


「わからないじゃないだろう!

お前の子どもじゃないか」


「わかってるよ!」



ついついムキになってしまう。


昔から親父には素直になれず

大人になった今でもケンカごし。

子どもができても、親父の前では

まだまだ子どもだということか、、。


これがまた悔しい



「ちょっと!二人とも!声が大きいわよ。

あの子が起きちゃうでしょ、、、」


お袋が止めに入るのは

いつものこと。



「とりあえず預け先は決まったから」


「預け先って、、、?預けるの?」


「そうだよ」


「ちょっと、、翔ちゃん!?

まだあんなに小さいのに?」



「だって仕方ないじゃん。仕事いかなきゃいけないしさ。明日面談してなんとか入園式に間に合いそうだから」



お袋は、急な展開に驚いてるようだ。

専業主婦だったから

小さい我が子を他人に預けることが

理解できないらしい



「あら、、そう、、。

だけど、家のこととかできるの?」


「そうだぞ。子育ても

他人様に任せてばかりではダメだからな」



「ふっ、、、」



また親父の一言にひっかかる。

親父こそ仕事ばかりで子育てなんてしてこなかっただろうに。


学校行事に参加してもらった思い出も

ないよ


そんな親父が今は孫と風呂に入ったり

オムツを替えたりと、俺でもやらないようなことをしている



俺も孫ができたら変わるのかもね



結局今のままじゃ昔の親父と同じだな




「そうだわ!ここに住んだら?」



「いや、、遠慮しとく。そこまで甘えられないから。」



「あなたのためじゃなくて、あの子のためよ!」



「お前、飯作れるのか?洗濯したり、あの子の世話も全部しないといけないんだぞ」



親父、、、アンタに言われたくないよ

自分もしたことないくせに、、。



「そのくらいできるよ、、」



 

「まぁ、できるとこまでがんばりなさい。

いつでも助けてあげるからね」

 

「うん、ありがとう母さん。

じゃ、帰ろうかな」

 


親父の側の息子に目をやると

まだ眠ってる



「もう帰るの?明日休みでしょ?」

 

「そうなんだけど

預け先の面談があるんだ

準備しなくちゃいけないだろ?」


「まだ気持ち良さそうに眠ってるわよ」




「車で寝かせて帰るよ」



息子を連れていこうと思ったら

俺より先に親父が抱きかかえていた


「おれが車まで連れていく」


はいはい、、、


「翔ちゃん、起きたら食べさせてあげて。

明日の朝でも大丈夫だから」



お袋が小さなおにぎりを3つ持たせて

くれた。息子は鮭と塩むすびが好きらしい。

そんなことさえ知らないし、起きたら

なにか食べさせるっていう発想もなかった。



子育てか、、、

まぁ、みんなやってるんだし

なんとかなるか、、


結局今のままじゃ親父と同じ

父親になるだけだ


親父とは違うんだって見返してやる




最初は意地から始まった、、、