東宝作品「大怪獣バラン」は1958年(昭和33年)公開の特撮映画です。
「ゴジラ」の空前の大ヒットを受け、「ゴジラの逆襲」「空の大怪獣ラドン」と毎年このジャンルの映画を東宝は制作。
当初この「大怪獣バラン」は海外資本会社から発注を受けたテレビ用ドラマ(30分×4本)として企画進行していましたが、その依頼会社が倒産し、急遽劇場公開映画として制作が進みます。
「ゴジラ、ラドンより物凄い大怪獣」のキャッチコピーがありますが、「空の大怪獣ラドン」が特撮初のカラー映画だったのに、その翌年公開の「大怪獣バラン」が結果的にモノクロに戻ってしまうというところが残念。
制作の時系列的にはやむを得ないところではありますが、実はこの映画、見どころ満載の隠れた名作でもあります。
その頃、劇場映画の主流は横長のワイドスクリーンでした。スクリーンの端から端まで映像が広がるイメージです。
現在も昔のテレビドラマなどが放送される際、両端がブラックで切れている作品がありますが、ゴジラやラドンもこの形なのです。
しかし、「東宝パンスコープ」と銘打ったこの「大怪獣バラン」は映像の上下がブラック、端から端まで横長フルスクリーンの一見映画らしい作品です、、、が、実は上下をブラックで切って映像を横に伸ばしただけ、と言う裏事情あり。
当然上下で裁断された映像情報が消えている不具合もあるのですが、私は全く気になりませんでした、と言うよりしばらく気付きませんでした 笑
監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、音楽伊福部昭 という安定のゴールデントリオ。
発端は岩手県北上川上流、日本のチベットと言われる(現在ならNG表現間違いなし)山奥に中生代の生き残り、バラノポーダが出現、自衛隊との対戦の末飛翔して飛び去り、千葉県銚子沖から東京羽田空港まで移動。その間海上、陸上自衛隊との大攻防戦が展開します。
怪獣プロレスと揶揄される特撮映画ではなく、自衛隊(怪獣と人間だけ)との対戦に徹した内容が私には好ましい映画なのです。
北上山中を暴れ回るバラン、山中の部落を蹂躙壊滅させます。
羽田沖を飛翔するバラン。
最終決戦羽田空港の攻防。
この4枚は私の少年期、駄菓子屋さんで売っていたいわゆる「5円ブロマイド」です。何が入っているかわからない為、ダブりが一番怖かった思い出があります。ウルトラマンシリーズを中心に当時は相当な枚数を所持していましたが、現在では気に入ったものだけを残して断捨離済みです。
先日久しぶりにこのブルーレイで鑑賞しました。
原案は「空の大怪獣ラドン」投稿でも紹介した黒沼健、脚本はのちに「モスラ 1961」、観客動員約1,000万人を記録した「キングコング対ゴジラ 1962」などを執筆した関沢新一。
この方は都はるみ「涙の連絡線」美空ひばり「柔」など、多数のヒット曲の作詞も手掛けました。
東宝専属の脚本家だった関沢新一は多くの優れた映画脚本、小説、作詞等を残しました。後年ウルトラマン、ウルトラセブンなどのメイン脚本を担当した金城哲夫の師匠でもあります。
公開時は大ヒットまではいかず、圧倒的人気のゴジラの陰に隠れた映画でしたが、コアなファンも多いこの作品、おススメです。