写真や映像を取り扱っていると、時代とともに解像度が大きくなり、それによりデータが肥大化していく様を見てきた。データを保存する手段の一つにブルーレイを利用しているが、各社のブルーレイ事業撤退のニュースを見て、写真・映像バックアップのこれからを改めて考えていかなければいけない状況まで来たと感じた。

 

データ保存の手段には何があるか。

クラウド、HDD/SSD、記録メディア(メモリカード・USBメモリ・ディスク・テープ)

 

【クラウド】

インターネット上のクラウドサービスは、費用を出せば保存容量を増やせる。自ら機器障害・故障への対応が不要。ネットに接続できる必要がある。データ転送速度はデータセンターやネット回線速度等に依存する。地理的に離れた場所に保存されるが故の災害優位性がある。

月額料金とデータ保存量のバランスを考える必要がる。ネット接続の特性上アカウント情報漏洩によるデータ流出がありあえる(データセンターがどの国にあるかだけでもリスクになりえることがある)。クラウドと言えど大量のRAIDサーバーなのでHDD/SDDに依存する。データセンターや記憶媒体が災害・紛争などで破壊・供給不足になると、サービス継続が困難になる可能性がある。また、外資系がぼほ占めているので、利用単価が跳ね上がる恐れがある。クラウドサービス終了の際のデータ移動方法を事前に調べておく必要がある。

 

【HDD/SSD】

HDDは大容量・低下価格だが衝撃に弱い、SSDは高速書き込み可能だが、突然死が起きうる。費用があればRAIDを組むと障害耐性、RAIDの種類によっては処理速度の向上が期待できる。転送速度に優位なM.2 NVMe SSDもあるが高発熱であり排熱対処が必要である。外付けのものにはドライブ暗号化機能を含む機能がありソフトウェア・ハードウェア暗号化の種類がある。

大容量媒体である分、故障した際に大規模なデータ消失が起こりえる。衝撃に弱いHDDは外付け利用しないほうが良い。HDDは故障前に、セクタ読み込みエラーなどの予兆を見ることができるが、SSDは予兆なく突然壊れることがあるため、別媒体も併用し保存することが望ましい。昨今はAI需要により、RAMメモリと共に大規模な供給不足状態であり、大きな価格変動の影響を受けている。

 

【記録メディア】

・メモリカード/USBメモリ

一昔前に比べて大容量化・低価格化が進んだ。USBメモリサイズで小型SSDを搭載したものがある。USBは規格によって転送速度が異なるため、購入時には注意が必要。物理的な書き込みロックスイッチがあるものもある。

小型のため紛失と共に情報漏洩リスクがある。電気的にデータを保持しているためPC接続などにより通電維持が必要である。一応静電気には弱いとされている。小型のSSDは高発熱で排熱不足の状態が起こり易い。

 

・ディスクメディア

専用ディスクと専用読み書きドライブが必要な記録方式。種類的には、【磁気:Floppy】、【光磁気:MO】、【光学:CD・DVD・Blu-ray】あたりが主流。データ受け渡しや配布に利用されることがある。

ドライブに回転機構やレーザー照射レンズがあるため経年劣化が起きうる。強力な磁気。湿気・紫外線の影響によってディスクの寿命が変化する。光学メディアなどは、硬い地面に落とすと割れて壊れる。書き込みロック機構があるものがある。Disc At Onceで追加書き込み不可ディスクの作成可能である。RW/REディスクは初期化によって何度も利用できるが大容量であるとフォーマットに時間がかかる。ドライブの製造が終了するとメディアを読み出す手段がなくなる。BDドライブは終焉が近く、今後はCD/DVDだけが生き残りそう。

 

●バックアップはどのようにすればよいのか

理想のバックアップはメインストレージとそのバックアップストレージを別々の建屋に設置し、それぞれをRAID5のサーバーで常時接続稼働しておくことだろう。しかし、稼働するには数百万のサーバーを2台稼働する必要があり、そんなお金は持っていない。

外付けHDD故障によって数百GB単位のファイルが消失ことは2度ほど経験している。そのためデータを小分けに保存することで一気に大量のデータ消失を防ごうと思い、DVD・Blu-rayへのバックアップをメインにしてきた。テレビ録画もBlu-rayに書き出しているので、優に1000枚は超えている。DVDの枚数も同じようなものである。昔のディスクはあまり見返すことができない管理状況になり現在至る。

身も蓋もないが、結局のところバックアップの最適解というのは、その収入によってバックアップ運用可能な範囲の価格帯構成と複数媒体へのバックアップとしか言えいだろうか。なので最近外付けBDスリムドライブの買い増しをした。HDDの価格帯が下がるまでは、BDをまだまだ利用するよ!!!

 

●BDドライブの現状

BDドライブの販売はPionner・Buffalo・エレコム(ロジテック)は撤退、BDレコーダーもsony撤退でほぼ残るはパナソニックのみ。メーカー販売のドライブの中身はOEMなのでPionnerが作らなくなった今、LG(慶安に丸投げ?)とパナソニック(松下)だけがドライブの製造を出来るんじゃないだろうか。5.25インチのBDドライブが市場から消えたことでLGが製造しているかも怪しいところ。パナソニックがスリムドライブの製造を終えたら、本当の意味でBDドライブの終了になるだろう。

 

●映像データについて

データにおいて単体データサイズが多きものはやはり映像データであろう。映像配信各社は映像データをどのように管理しているのだろうか。一昔前なら磁気テープ単位で撮影・保管となりデータ容量ではなく映像の長さが単位であった。しかし、デジタル化した現在、映像は長さではなく保存容量によって扱われるようになった。4K/8Kと解像度が肥大化しデータ量も倍換算になる。圧縮データであれば数GBで済むだろうが、無圧縮が要求される場合はその10倍以上は膨らむだろう。マスタデータの保管は自社内で大容量のストレージサーバーを運用しているのだろうか。ただ、TVerが運用されているので映像圧縮や放映会社からのアップロードの連携がスムーズに行われているのだろう。

磁気テープであれば劣化によりノイズがあったとしても、映像・音声は一瞬で消えることはない。デジタルデータは記憶媒体の物理破損やソフト的なデータ破損によってCRCエラーなどが起き、一気消失する可能性がある。大容量な過去の映像データをいつまでも記録媒体に保存したままにはできないので、将来的に過去の膨大な映像データはある起点をもって大規模に消失するのだろうと思う。

 

●保存すべき情報の保存について

情報系の本によく書いてること、データと情報は異なる。保存・バックアップできる容量というのは限りがあるので、本当に必要なものだけ優先する必要がある。そのデータが情報となりえるかは、そのデータを持つ個々人によって異なる。消えてほしい情報やミームなどは、ネット上に一度広がると消えることはないが、大衆においてはデータでしかないが、自分にとって情報となりえるものは、ネット上からいずれ消える(レンタルサービス終了によるWebページ・blog終了、SNSサービス終了、製造・取り扱い終了製品情報、過去記事・ネットニュースの運営側削除など)。デジタルデータはボタン一つで一瞬で消えてしまうのを肝に銘じ、バックアップライフを楽しみましょう。