3.11の前の年だったので

あれは2010年のことです。

 

地元のろう協・老人部大御所から

声をかけられて

老人部有志8人位の二泊三日の北海道旅行に

行ったことがあります。

聞こえる人間は私だけで

もちろん通訳も兼ねる訳ですが

仕事ではありません。

 

旅行の手配は

全部、大御所がやってくださり

私を含めて、他の参加者はお金を支払うだけ

しかもわりとお得なツアーだったと思います。

大御所の知り合いの関係でもあり

通訳者兼の聞こえる人間を一人はメンバーにいれてほしい

というような条件もあったようです。

 

旅行はとても楽しかったです。

その話はまた機会があればということで

  今回の話しはその後、1年後

 

 有り難いことに

 またお誘い頂いたのです。

 今度は北海道でなくて

 別の地域です。

 最初は喜んでお伴させて頂きますと

 楽しみにしていました。

 

 ところが、旅行予定の2日前に

 東日本大震災が起こりました。

 

 そして、実はその当時

 長年、共に生活をしてきた愛猫の状態がよくなくて

 もしかしたら、旅行で私が不在中に

 逝ってしまう懸念もあり

 どうしても旅行に行く気がしませんでした。

 

 また場所が海沿いだったということもあり

 家族も心配しているし

 旅行の中止を願っていました。

 

 しかし、大御所はどうしても旅行を決行したかったらしく

 中止にはなりませんでした。

 

 私は悩んだあげく

 猫を選び

 旅行はキャンセルさせて頂きました。

 私以外にもキャンセル者は出たようでしたが

 

 それから数年、大御所からの風当たりが強くなったのは

 いうまでもありません(笑)。

 

 なにせ地域の上層組織の理事長まで務めた方ですから

 プライドもあったでしょう。

 通訳者兼聞こえる人間として、一人はいなくてはならない、

 だからこそ、声をかけたのに

 大御所にしたら、裏切りのように感じたかもしれません・・・。

 

 でも、実際に、愛猫は3月16日に逝ってしまいましたので

 旅行にいっていたら、看取ることはできなかったわけで

 あの時の決断はいまだに後悔はしていません。

 

 あれから気がつけば、11年たったのか・・・と

 

 大御所もすっかり体調を崩されて

 表舞台には顔を出されなくなりました。

 

 あんなことがなければ

 もっと親しくさせて頂いていたかもしれませんが

 だんだん疎遠になり

 少し残念です。

 人との出会い、巡り合わせって

 不思議なものです。

 

 それでも

 楽しかった北海道旅行は

 忘れられないし

 やっぱり大御所には感謝しています。

 

 コロナ禍も収束したその頃には

 久しぶりにお会いできたら

 嬉しいなぁ~🌈