手話を母語としている・・・・という定義も

実はなかなか難しい所ですが

その話しはまた別の機会という事にさせて頂き

今回は厳密にいえば

、テーマにはそぐわないかもしれないけれど

多様性という観点から

とある聞こえない方を紹介します。

 

数年前に少しご縁があり、お目にかかり

陰ながら(笑)一気にファンになってしまった

今まで出会った

どの聞こえない方とも違ったタイプの

昔、流行った手話のドラマの主人公(トヨエツ)を

彷彿とさせるいでたちで

明るく聡明でエネルギッシュな方で

手話を覚え始めたのは数年前という事でしたが

とても流暢に手話でお話しをされていました。

 

現在は名前を出せば誰もが知っている会社で課長職を務められていて

地元のろう協、難聴者協会でそれぞれ理事等の活動をしながら

福祉のまちづくりアドバイザーもされているという事でした。

 

手話を始める前までは完全に聞こえる人の世界にいて

それまでは聞こえない人たちの世界は

自分には関係のないものとして

人生を過ごしてきたそうです。

街中で手話で会話をしている人たちを見かけても

何も心が動かなかったと達観した様子で話されていましたが

幼少時代に、ろう学校に通われていた時代の

にこやかな表情の写真と

インテグレートした後の暗い表情をしている写真との比較で

多くは語らずとも、

一目瞭然に伝わってくるものがありました。

 

大学を卒業し、就職をし、家庭をもち、

ごく普通に生活をしていたそうですが

仕事に関わるプロジェクトがきっかけで

手話に出会い、聞こえない人たちの世界に足を踏み入れて

一気に自分の世界に変化がおきて

それはまた仕事においても、色々な活動においても、

とても良い循環が起きたこと

生き生きと、誠実に朗らかにお話しをされている様子には

人を惹きつけるパワーがありました。

 

手話歴数年ながらも

温か味のある手話はご自身で分析されていたように

いわゆる日本語対応手話ながらも

魅力のあるお人柄もあいまって

聞こえない、聞こえるを問わずに人を惹きつける力があるように感じました。

 

印象深かったのは‘セルフアドボカシー’の観点で

聞こえないという障害を周りの人に伝えることが大切だとのお話しが

やけに分かりやすいし嫌味がない(笑)

それはつい最近まで聞こえる人の世界にいらした為なのか

持ち前の話術、魅力なのか不明ですが

正しい手話とか正しくない手話とか

手話文法云々とか、関係のない次元

伝える、伝えあいたいという気持ちを大切にする

それも感情的にではなく、科学的に分析されている面と

スピリチュアルな必然でこうなったという切り口のバランスも

こんな方もいたんだなぁ、人間って面白い!と

良いオーラを頂いたような気がしました。