幼稚部、小学部低学年をろう学校で過ごした友人の話です。
一度、インテグレートして普通校に通った友人は
授業中の先生の話も、友達の会話もそのほとんどを聞き取る事が
出来ないまま、自分の頭の中でなんとか文脈をたよりに
また周りの状況を常に見ながら、時にはおかしくもないのに笑ってみたり
みんなが手をあげていれば、なんとなく理由は分からなくても
真似してみたりと常に緊張の絶えない日々だったそうです。
そして、学校でも家でも言われ続けていたという
「きこえなかったらきこえないと言いなさい!」
たとえば、英語を全く理解できない人が
英語を母語とする人たちの中に一人だけいたとします。
分からなかったら聞いてね、と言われて
さあ、質問できるでしょうか・・
話されたことが自分に関係することなのか
自分の理解が正しかったのか
聞き落とした点はなかったのか
みんなが笑っているのはなぜか
一つ一つ確認できるでしょうか・・・
それはとても難しい事だと想像できるでしょう。
ろう学校にもう一度戻り
友人が言われるようになったのは
「見えなかったら見えないって言いなさい!」
そういえば、数年前に仲間8人(ろう4人・聴4人)で新宿に映画を観に行き
そのあとの飲み会で
アラビアンナイト居酒屋って所に行ったのですが
(おそらく今はもうやっていないかも・・)
コスプレのお姉さんがいたり
お料理もちょっと凝った珍しいものでした。
しかし私たちの中で評判は最悪でした。
なぜなら、アラビアンナイトムードたっぷりの雰囲気は
薄暗~く、私たち仲間内の第一言語の手話が見えにくいという大問題
ムードよりも明るさを~
❛もう少し明るくなりませんか?❜と店の人にお願いするも
怪訝そうに願いは却下されてしまい
暫し薄暗い中で我慢しながらも
楽し手話べりの時間でした。
ちなみに、この時期は
よく映画を観に仲間と行ってましたね。
障害者割引の恩恵をろう友人から受けるのと(笑)
やっぱり何かと理由をつけて
友人たちと集まるのが楽しかったんですよね。
今はコロナ禍でもあり
全くそんなことは出来ませんが
いつかまた
みんなで集える日が来ると良いなぁ~