飲食を伴う手話通訳の現場も
実に幅広いです。
分かりやすい所で言えば
冠婚葬祭もそうですし
学校、会社、地域の集まり、家族、趣味の会
ありとあらゆる場面があります。
もう数えきれない場面の中で
いつも四苦八苦している印象があるのは
飲食を伴う場面の時は特に
ただ音声だけを変換、翻訳するというよりは
手話通訳としての役割として
とにかく聞こえない方のニーズを意識しなければ
ならないからです。
想像してみてください。
自分が飲食を伴う場面に参加している時を
色々な状況がありますが・・・
基本的には楽しい場所で
より関係性を深めたいという場合が多いです。
そういう時に求められることの一つに
周りから浮かない
馴染むようにしてほしいという気持ちがあるようです。
もちろん、情報が欲しいから
手話通訳を依頼する訳ですが
どうしても真面目な雰囲気でそこにいると
それだけで浮いてしまうという状況は否めません。
だからと言って
通訳者がそうふざけたことが出来る訳ではありません(笑)が
出来る範囲で
その場の状況で臨機応変に工夫をします。
困るのはお酒の席だと
騒々しい上に、皆さん、酔ってくると
想像を超えた状況もあったりしますから油断できません。
まあとにかく、声が聞こえずらいですし
話が早くなる、
しかも仲間内の固有名詞や
それぞれの共通の話題で話をされると
通訳者だけは分からないわけです。
いや~参った参った!状態
ほかには、たとえば、待機場所
長時間に及ぶ場合、通常、複数の通訳者がいる訳ですが
状況に応じては
少し離れた場所、邪魔にならない所へ行ったりもします。
それは、ご本人からの要望で
手話通訳者が一人いるだけでも
なにか居心地が悪いような思いがあるようです。
私たちはそれを察して
ご本人に提案をして、出来るだけよい方法を模索します。
そういえば、待機場所がなくて
お店が入っていたビル内にも居場所がなくて
仕方なく、普段は20分交代の通訳スタイルを30分交代にして、
ビルの外、コンビニや公園で時間をつぶしていた時もありました。
大変ですが
やっぱり手話通訳者が2人もいて
気を遣ってしまった・・・という思いを
聞こえない方がもたれるのは
私たちも決して良いとは思わないので
できる限りの方法を考える。
毎回、同じ方法ではなく
正解は一つではない
そのとき、そのときで何ができるか
とにかく考える、
これも手話通訳者の腕の見せ所です。