私は手話通訳者です。

 

今日からこの

「手話通訳者のココロ」というブログを始めることにしました。

いつまで続くかは分かりませんが(笑)

 

本当はブログ開始のきっかけになったテーマもありますが

せっかくなので

自己紹介を兼ねて少しずつブログにしていきたいと思います。

 

私が手話に出会ったのは学生時代

国際障害者年の頃でした。

当時は

ただ聞こえない人と手話で話が出来ればいいという考えで

自分がどれほど手話が出来ないかも

気が付かないような恵まれた環境でした。

 

この恵まれた環境と言うのは

初めて出あった聞こえない人がとても良い人で

やたらに読取り能力が高く

今は妻になっている聞こえる友人が手話が上手で

すぐサポートしてくれちゃうし

手話のような手話でない私のいかんともしがたい手話も

時には手話すら出てこないような状況であっても

私たちは仲間として

同じ時間を難なく共有することが出来ていて

ただただ楽しい日々で

 

聞こえない人へのイメージは

年齢の関係もあったでしょうが

私の中では障害者というよりも

まだ幼い私に手話をおしえてくれる

やさしく楽しい大人という印象でした。

 

あの当時の経験があるからこそ

いま、どんな事があっても

やっぱり私は手話の世界から

離れることはないだろうというという所に

つながっているのでしょう。

 

手話通訳を目指すことになったのは

初めて聞こえない人に出会ってから

相当後のことになります。

これは今の手話通訳者養成期間の基準から考えれば

かなり稀有なケースなのかもしれません。

 

現在は、手話を教える立場でもありますが

奉仕員クラスレベルよりも

通訳者クラスレベルの方が

自分としては指導しやすいと感じているのは

私自身が入門、初級、中級レベル時代に講習会というものに

通った経験がないためだと思っています。

 

それ故に意識して

科学的に考えて

今の時代にあった短期間で基礎を学べるためには

どうすればいいのかを

その時、その時の状況に応じて試行錯誤はしています。

 

さて、手話をとりまく状況は

私が手話を始めた頃とはとにかく異なっていて

それは

当然に、聞こえない人たちをとりまく状況の激変とつながっている訳ですが

 

聞こえない人達の生活は

手話通訳制度の広がり

手話に対する社会の見方の変容など

当然に確実に良い方向に変わっていっているに違いない

それでも

どこか根本の聞こえない人達の苦しみは置き去りにされたまま

実は消えない、癒えない、

そう簡単ではない

世の中の不条理を

日々の手話通訳を通して感じることも多々あります。

 

SNSには手話があふれ

聞こえない人達の様々なカタチでの発信が多数あり

今の手話学習の方々は

色々な手話を目にすることもでき

手話を学ぶ方法も多岐にわたる状況です。

 

しかし、実は現役の手話通訳者のSNSの発信はそう多くはありません。

その理由は

プロの手話通訳者であればあるほど

慎重にならざるを得ない事情があります。

一番は守秘義務の問題です。

どんなに注意していても

万一、何か問題になってしまうかもしれないという懸念もあります。

 

また発信するにはそれなりに責任のある文章にするべきであるけれど

そこに集中する時間を捻出することが難しい時間的な問題もあります。

 

ブログ発信することで

広告収入などある場合は別でしょうが

言い方は少しえげつなくなってしまいますが( ;∀;)

一銭の得にもならないのに

よほどの熱意がないと続けることが難しい気がします。

 

そんなことする位だったら

通訳者としてのメンテナンスとしての学習

心身共に健康を維持するための時間など

やることがあるんじゃない?と

実際にそんな台詞が飛び交う場に遭遇した事もあり

手話通訳のブログをやるなんて

怖れ多いわ~と思っていました。

 

でも、私自身にとっても


これから

手話通訳を目指す人には勉強になることですし


自分自身を振り返る、


なるほど、そういう考えがあったか!とか

そうそう、同じ同じ、とか

いやそれは違うんじゃない、とか

漫然と日々の通訳におわれるだけだった所から

また新たに色々と考えることにつながり

 

それはきっと

当たり前だと思っていた事が

当たり前ではないという事への気付きにもなり

これは有意義なことじゃないか・・と。

 

一晩寝て、考えた結果

ちょっと大変なことだけど

この「手話通訳者のココロ」を始まることにしました。

 

 

よろしくお願いします~。