漫画

『憂鬱な朝』
全8巻+1巻

維新後まもない明治時代。旧士族達が特権を失い凋落していく中、10歳で子爵家の当主となった暁人は、家令と名乗る青年・桂木と出会います。
暗い出生の秘密を抱え、暁人に対して複雑な感情を抱く桂木ですが、暁人の成長と共に思いは変化していきます。


著者:日高ショーコ(ひだかしょーこ)
出版社:徳間書店
価格:617円〜778円、2700円

この作品の見所は、骨太なストーリー。日高ショーコさんは、実は「タキエ」さんというストーリー担当の方がいらっしゃるそうです。
BLということを抜きにしても、主人公が明治の世をどう切り抜けていくのか、ストーリーにハラハラさせられました。
明治期の細かい制度、華族達のお家事情、当時の株の話など、丁寧に描かれています。ただし、作者さんの拘りで、軍部の事には一切触れられておらず、軍服姿はあまり見られません。

もちろん恋愛描写も素晴らしいです。幼かった暁人がもうめちゃくちゃカッコよく成長し、10歳ほど年上の桂木を甘えさせるまでの関係になっていきます。でもそれも、桂木の教育があってこそ。お互いへの想いの強さに目眩がしました。

エロはあまりしつこくない。そこに至るシチュエーションが大事。
リアリティがありすぎて、下着が褌なのがツボです。