昔一度、イタリアを訪れました。
懐かしい思い出です・・・・・
イタリアパビリオンでは、ファルネーゼのアトラス、ティントレット、カラヴァッジョ、そしてレオナルドダヴィンチまであるという豪華なお目見え。
建築家マリオ・クチネッラによるイタリアパビリオン。
こちらはナポリのラツィオ州Castel Snt’Elmo[サンエルモ城]にて、ティレニア海を背後にして丘に立つモニュメント・・・
■サンエルモ
ミンモ・パラディーノ(Mimmo Paladino:1948-)彫刻家、画家、版画家。
2010年アルミ鋳造。
■ポルティコ
建物の玄関に導く、あるいは柱列として拡がるポーチ。
柱で支えられるか壁で囲まれた歩道上に屋根がある構造。
幾つかの工芸細工体験の紹介があります。
コロッセオの正面中央にピーコックグリーンの展示物があります。
■dieXe
シャンデリア。
2024年Salviati製作。隈研吾(1954-)デザイン。
ヴェニス、サンマルコ広場に展示されていた作品。
dieXeとはX(10)を意味し、連結や団結のシンボルともされます。
Salviatiはムラーノグラスの老舗。
ラグーンのブリコラ(木の杭)、水面のきらめきを表現。
縦横に重なる繊維状の壁面は密閉されておらず、風を通します。
コロッセオの左端からカーテン内に入ると、コロッセオ内部の劇場へと導かれます。
■劇場
席に着くと、照明が落とされ正面のスクリーンにて映像が流れます。
ほんの1,2分!あっという間のイタリア紹介の短い映像が終わると
なんと4枚のスクリーンが突然90度回転し、奥には広い空間が・・・
観客が歓声をあげた瞬間でした。
演出が贅沢!
扉を開けるためだけにこの円形劇場が存在するとは・・・・・
このシチュエーションから、もう完全に圧倒されてしまいました!
■ビジターエクスペリエンス
今回のイタリアパビリオンでの一番の目玉は、アトラス像です。
飛行機とトラックにて1万㎞を10日かけて運搬されてきました。
重心が像上部にあり構造的に非常に脆いため、細心の注意を払い梱包、輸送が行われました。
■ファルネーゼのアトラス
ナポリ国立考古学博物館蔵。
AD150年頃製作の彫刻。作者不明。
ルネサンス期ファルネーゼ家によるコレクション。
大理石製、像高2m、重量2t。
150年頃製作。
1562年アレッサンドロ・ファルネーゼ(1468-1549)取得。
アレッサンドロ・ファルネーゼとは第220代ローマ教皇パウルス3世。
1550-60年修復されファルネーゼ宮殿アトラスの間に設置。
1786年ブルボン家によりナポリに移設。
ギリシャ神話の巨神アトラス。
ギリシャ彫刻のローマン・コピー。
ローマン・コピーとは、古代ギリシャに対するオマージュ・・・
身体表現における普遍的で理想的な美とされた古代ギリシャ彫刻!
それを模して造られたのが古代ローマ時代の大理石彫刻です。
アトラスの担いでいる球は地球儀ではなく天球儀です。
神々の戦いに敗れたアトラスは天空を支える罰を与えられます。
この天球には星座、黄道十二宮、四方位、天と地を陽刻しています。
マントのひだの流れるような一筋一筋も美しい!
支える太もも、ふくらはぎの筋肉表現、力強く踏みしめる足の指まで見事です!
AD150年頃製作された像が、1550-60年に修復されています。
大理石の復元作業がどのようなものなのか、どの程度の破損があったのか、興味があったので調べてみました・・・
左手首。
右肩。
右臀部から右足全般。
鼠径部。
右脹脛。
右足の指。
左膝。
左足の甲。
その他、台座も割れており、マントに至っては粉々だったとしか思われません・・・
どのような経緯があったかまではわかりませんが、今こうして復元された姿を目にできることは、まさに奇跡であるとも言えると思います。
いつまででも観ていられる、素晴らしい作品でした・・・・































































