さながら長江に浮かぶ船から眺めるような・・・・
寝殿造の釣殿から望むような庭。
1674年(延宝2年)智積院第7世運敞(1614-93)が、1593年(文禄2年)祥雲寺創建時の原型を大きく改造することなく、改修を行ったことが発掘調査により判っています。
■智積院庭園
国指定名勝。築山泉水式庭園。池泉鑑賞式庭園。座観式池庭。
利休好みの庭、東山随一の庭と称されました。
名勝庭園。1,600㎡。
1593年(文禄2年)祥雲寺創建頃に庭園作庭。
1674年(延宝2年)智積院時代改修。
■石橋(最南)
■木橋(築山南)
南北に伸びる細長い池は、長江(揚子江)を表します。
池底に泥を堆積させて淀みを作ることで、大河の深い緑色を演出。
こちらより本来は池泉回遊できる散策路のようです。
長江を挟んで対岸には、東山麓の斜面を活かした築山。
阿弥陀ヶ峰を背にした廬山(中国江西省)を表します。
■五重石塔
築山南西下部に横たわるサツキ、ツツジの大刈込は三味線の撥、あるいは琴の形状に。
■石橋(築山西)
祥雲寺遺構とされる紀州青石2枚を繋いだ橋。
池が縁の下に入り込むことで大書院を船に見立てる演出となっています。
拝観者立入禁止ですが、石橋を渡り対岸の築山の隘路を辿ると、道は滝石組に架かる石橋へと向かいます。
大書院正面に廬山を模した築山がこんもりと聳えます。
植栽はサツキ、ツツジを中心とした刈込とし、頂のソテツが唯一の高木。
玉澗流[ぎょっかんりゅう]・・・・・・
滝上部に石橋を渡す手法を指す桃山時代の庭園技法。
宋の画僧玉澗(南宋末-元初期)の水墨山水画のモチーフが起源とされます。
■切石橋(築山北西)
築山中腹に架かる石橋。
緩やかな曲線をもつ形状は江戸初期の特徴。
■滝石組
築山北西、頂より切り石を並べた滝石組。
滝上部に切石橋が跨ぐ玉澗流です。
■水分石[みくまりいし]
滝下部に配置され水流を左右に分けます。
■石橋(築山北)
宸殿へと繋がります。
■大書院