智積院講堂の北に隣接する大書院[おおじょいん]。

 

大書院では長谷川等伯(1539-1610)と、その一門による国宝「旧祥雲寺客殿障壁画」の制作当初(400年前)の色鮮やかな姿を鑑賞することができます。


日本美術の最高峰、まさに最高傑作がここにあります。

 

 

 

 

この障壁画は智積院創建以前、当地にあった祥雲寺客殿内部を飾るために描かれたものです・・・・・

 

1593年豊臣秀吉により創建され「日本一番之寺」と称された祥雲寺。

関ヶ原の戦い後、儚くも祥雲寺は廃寺となります。

 

 

祥雲寺時代・・・

1593年(文禄2年)頃創建。障壁画も同じ頃の作。

1600年(慶長5年)関ヶ原の戦い後、祥雲寺廃寺。

 

智積院時代・・・

1601年(慶長6年)祥雲寺跡地に智積院創建。

旧祥雲寺伽藍、障壁画など譲受。

1682年(天和2年)天和の火災により主要伽藍を焼失。

客殿障壁画の多くは焼失を免れます。

 

 

■祥雲寺客殿の平面と障壁画の復元検討配置図 2005年(平成17年)

 

 

■旧祥雲寺客殿障壁画の復元研究 2013-15年(平成25-27年)


 

1705年(享保12年)享保の改変。

再建後の客殿、大書院、小書院に障壁画に切詰、貼合処置を施して転用。

1892年(明治25年)明治の盗難。

1947年(昭和22年)火災により客殿衆入間、宸殿焼失、大書院半焼。

1948年(昭和23年)古材を用い大書院再建。

 

1992年(平成4年)現講堂付近(方丈跡地)に祥雲寺客殿遺構を発掘。

祥雲寺客殿は、当時全国最大規模(東西36m、南北23.1m)でした。

 

 

大書院は桃山城の遺構と言われますが、実際には東福門院より移築され、宮廷建築の面影が残る建物です。

 

 

■大書院[おおじょいん]

1682年(天和2年)天和の火災により焼失。

その後東福門院より移築され大書院再建。

1947年(昭和22年)昭和の火災により焼失。

1948年(昭和23年)古材を用い現存大書院を再建。

 

 

茶室のような造りの妻入り別屋根部分が接続。

正面玄関なのでしょう。

 

大書院南東側。

 

 

大書院南側。

 

 

 

大書院南西側。

 

■大書院拝観口

 

上がって通路正面奥の襖の先が玄関。

 

神々しく輝く金碧障壁画が現れます・・・・

 

 

国宝指定される以前・・・

 

1968年(昭和43年)まではここ大書院に国宝障壁画がありましたが、現在は宝物館に収蔵展示されています。

 

1593年(文禄2年)頃・・・・・・

制作当時の京都画壇は狩野派全盛期。

あらゆる障壁画の制作を狩野派が独占していました。

 

長谷川等伯は千利休(1522-91)や本法寺の日通(1551-1608)などの文化人と繋がりながら、活動の機会を得ていったと言われます。

 

 

 

 

 

■紙本金地著色桜楓図

国宝。旧祥雲寺客殿障壁画。

 

■旧祥雲寺障壁画 楓図

国宝。旧祥雲寺障壁画『楓図』は日本障壁画の最高傑作。

紙本金地著色、襖4面。

1593年(文禄2年)作。

長谷川久蔵(1568-93)死後、父等伯(1539-1610)により完成。

 

1682年(天和2年)旧祥雲寺客殿消失。

障壁画は避難され現在宝物館に収蔵。

Wikipediaより。

 

 

■楓の間

その壁貼附「楓図」の複製画。

豊臣秀吉が目にしたのはまさにこれ。

 

■旧祥雲寺障壁画 桜図

国宝。紙本金地著色、襖4面。

1593年(文禄2年)長谷川久蔵(1568-93)の遺作。

Wikipediaより。

 

 

■桜の間

その壁貼附「桜図」の複製画。

全く違う鮮やかさ、新鮮な感動があります。

 

 

 

■上段の間

 

■松に立葵図(部分)

上段の間左手手前にある壁貼附(原図右部分)、床脇違い棚貼附(原図左部分)の複製画。

 

■松に立葵図(中央部分)

上段の間、正面床の間にある床壁貼附の複製画。

 

■楓図(部分)

上段の間、正面右手にある襖貼附の複製画は楓図の原図左端部分。


 

 

 

 

 

■智積院庭園

国指定名勝。築山泉水式庭園。池泉鑑賞式庭園。

利休好みの庭、東山随一の庭と称されました。

名勝庭園。

 

1593年(文禄2年)祥雲寺創建頃に庭園の原形を作庭。

1674年(延宝2年)智積院時代、第7世運敞僧正の指揮により改修。

 

 

 

 

 

 

■一文字手水鉢

茶室の傍より移設。

池に浮かぶ舟に見立てているとか。

 

大書院の下にまで広がる池。

 

 

白壁に映るみなもの揺らめき。

 

 


 

■秋草の間

大書院北側を東より。

 

大書院北側を西より。

 

大書院北西角。

 

大書院西側。

 

西側の部屋。

 

 

 

大書院南西側。

 

大書院南西側。