今はまた 行きても見やば 石の上[いそのかみ]

         ふるの滝津瀬 跡をたづねて

 

          後嵯峨天皇御製 古今和歌集

 

 

かつては布留[ふる]の滝と呼ばれていました。

 

 

 

第88代後嵯峨天皇(1220-1272、在位:1242-1246)は後継問題で、後の南北朝時代(1337-1392)の発端を作ってしまった人物でもあります。

 


 

1688年(元禄元年)松尾芭蕉は在原寺(明治初期廃寺、現・在原神社)、石上神宮を詣で当地を訪れたことが旧友への手紙に記されています。

 

 

奈良県天理市滝本町、布留川の支流の滝です。

 

 

■白龍大神碑

 

■不動三尊石仏

1348年(貞和4年)造立。伊派の石工・井野行経作とも考えられます。

花崗岩製。石板の高さ90cm、幅60cm。

不動明王(中央)像高64cm。

脇侍であるセイタカ童子(左)、矜羯羅童子(右)ともに像高25cm。

 

 

 

こちらも不動明王でしょうか。

 

■桃尾[もものお/ももお]の滝

落差23m。直瀑。

春日断層崖に沿う滝の中では最大規模。

かつては明治初期に廃寺となった桃尾山蓮華王院龍福寺の行場でした。

 

 

滝口。

 

 


 

 

いにしへも かく聞きつつか 偲ひけむ

       この布留川の 清き瀬の音を

 

          詠み人知らず 万葉集

 

 

 

 

滝の岩棚にも不動明王像。

 

■如意輪観音像

南北朝前期造立。伊派の石工・井野行経作。

像高45cm。像の光背左下に「奉起立行経」と刻銘。

 

 

 

 

滝壼の左側の岩壁に刻まれる磨崖仏。

大和でも屈指の名作。

 

■不動三尊麿崖仏

鎌倉中-後期造立。花崗岩製。

不動明王(中央)の像高132cm。

脇侍であるセイタカ童子(左)、矜羯羅童子(右)ともに像高80cm。

 

 

 

■南無妙法蓮華経碑

 

 

■南無妙法蓮華経碑

 

 

■説明板

 

 

 

■不動堂

 

■不動明王像

火炎の描写が立体的で、頭や腕の前へとまわり込むところは秀逸。