「いないないばあ」で幼児は笑う。「いないいない」で母の消える不安が生じ、
「ばあ」で安堵笑が生まれ、笑が生じる。 「笑とは防衛解除のことである。」とあ
る評論家の弁である。
サラリーマン川柳もクスリとニヤリとする噴出した防衛解除の心理作用かもしれな
い。その心理状態も世相の変遷で変わるようだ。
10年前の作品で<このオレを 雇わないとは 目が高い>…オレの能力を見抜
くとはさすがだね と就職の失敗という緊張が、自分自身を笑いのめす心の余裕に
触れて解除される。
今年は笑どころを探すには現実が余りにも深刻すぎるのだろう。<仕事減り 休日
増えて 居場所なし>や<昼食は 低カロリーよりも 低コスト>と本当に上手で
うまいと感心するが、現実味が醸しだす緊張は解除されずに胸に残る。
川柳も心を映すものである。