日本医師会(日医)は16万人の会員がいるが、集票力は低下の一途を辿っている。

武見太郎会長時代は1957年から25年に渡り巨額の政治献金と集票能力を背景に遺憾なく政治力を発揮し、日医の意に沿わぬときは政府相手でも徹底的に抗戦した。「けんか太郎」の異名をとった。知らぬ人は

いないだろう。 その頃の1977年の参議院選挙で全国区の候補で約130万票獲得したが、最近では

20万票だ。

この没落をある医師は自嘲気味に「医者の権威が地に落ちている、昔はお医者さんに診ていただく、今は

医者に診せる」という。権威がないのに自民党(与党)にいれてくれと言っても聞き入れてくれない。

票の出ない団体に、自民党の熱意は冷めていく。

「日医会長は診療報酬改定にある」と厚生労働省の内ではそう語り継がれてきた。  しかし国の財政は厳しく、2年に1度の診療報酬改正はマイナス基調が続いている。

日医に限らず、医療業界は依然、業務形態や価格決定などに国から多くの規制を受けている。政治の動向に目を離すわけにはいかない。すなわち与党でないと困るのだ。   日医の代弁者である厚労族議員の力も落ちている。

最近就任した唐沢日医会長に、小泉首相は「医師会の立場や利益を追求するのはいいが、国民全体、医療全体のことも考えてくださいよ」と釘をさした。