屋根の上のヴァイオリン弾き
先日、友人のお誘いを受けて、こちらの舞台に行きました。屋根の上のヴァイオリン弾き市村正親さんと鳳蘭さんコンビのこちらの作品。文学と美術と音楽の融合・・・の芸術作品。まさに、芸術の世界。生の演奏は、臨場感にあふれ、音楽こそが、世界共通の言葉。開演寸前の音合わせの弦の響きで、まずは・・心奪われて、その音の純粋さに涙腺が緩みます。そして、始まる・・この作品全体を物語る導入。屋根の上で落ちそうになるすれすれのところで、楽しそうにヴァイオリンを奏でるヴァイオリン弾きの独特な背をかがめた姿は、滑稽でもあり、力強くもあり、どこか哀愁漂う姿でもあり・・。人の幸せとは?倫理観とは・・・。しきたりと伝統があるからこそ、制限されたギリギリの生活の中で生きるための心の支え。でも、時代の流れと若い血潮にあふれた生命力は、しきたりと伝統だけでは、支えきれないと葛藤する心の動き。愛とは・・。家族とは・・夫婦とは・・・民族とは・・信仰とは・・・。考えさせられるゴリゴリの文学的なテーマではありますが、町に住む人々の逞しさと、人の良さ・・それぞれの立場の葛藤・・で、笑ったり泣いたりと、愛の深さと感動を誘う、すてきな舞台でした。俳優のみなさんをはじめ、舞台に携わった方々の、クオリティの高さは、言うことなく、間違いなく・・最高で、2021年、コロナ禍ではありますが、見ることができてよかったーと心から思う舞台でした。また、こちらの公演は、公演のたびに見たいと思いました。日生劇場は、ずいぶんと昔に、夏休みの子供のための演劇で、子供たちと見に行ったことのあるホールで、赤いじゅうたん、子供たちが喜んだっけなあ・・なんて。生演奏って・・やっぱり、いいですよねぇ・・・。日比谷公園も青空で、民族とか宗教とか難しいことも、コロナごと、ワクチンでとっぱらって、地球上のすべての人でコの青空を共有できる世界になればいいのに・・と願わずにはいられませんでした。