ご飯を食べてお腹が暖かくなったら、
電気毛布も要らなくなって、また少し眠れた。
七時すぎに、実家の親と、
仕事を手伝ってくれている人と、
MRIを撮りに行った先の病院に勤めている友人と、

バレー仲間で、この病院を紹介してくれた人に、電話やメールをしました。

返信が来る中
一番知られたくなかった、所属しているソフトバレーボールチームのキャプテンというか、総長から
返事が来ていました!!

え!?誰からきいたんだシラーむかっむかっ誰がばらしたんだいシラーむかっむかっ

寝ぼけた頭は、冴えてきて、よく考えて
…確認したら
バレー仲間に送ったメールをなぜか同時配信していて、私自らばらしてしまいました。

なぜ、言いたくないかと言うと、そういうことには敏感で
すぐに見舞金を集め、見舞いに来て
皆に報告するんです。

となると、私は噂の種になるばかりか、
皆が知りはじめて大事になれば、これまで愚痴ひとつ言わなかった旦那も、怒り心頭になるかもしれない。

復帰したらしたで、皆が私の膝や、自分に降りかかるかもしれない怪我が迫るようで恐くなるでしょう。

だから、総長には言いたくなかったのに。
復帰出来なくなるから、見舞わないてほしい、病院も言わないと、
言い訳をして、私らだけの秘密として約束していただきました。

連絡を終えた頃には、左足の膝の皿の奥だけが、チリチリと痛んできました。

お腹を触るとパンパンになっていて、トイレにも行かねばならない限界を感じました。

右足は親指だけは曲がらないけど、他の指は戻ってきた。
左足の指は、まだ無理みたい。

右足さえ戻れば、トイレに行ける!!備え付けのポータブルトイレだけは絶対に避けたい…。

右足を触ると
骨に力が宿ってきたのがわかる。
足の位置を認識できるからだ。
皮膚は斑に、感覚がなくて、まだ立てない。

膝を曲げてみようとしたら、パーンと羽上がるように曲がったから驚いた。
親指を握って曲げてみたら、曲げ方を思い出して曲がるようになった。

点滴の終わりを待って、9時に、初トイレに行きました。
私の半分の背じゃ!?というくらいの看護士さんが、付き添って、後ろから短パンの腰のゴムを握っていたけど、
倒れでもしたら支えられないだろうから、これが恐かったかな。


すっきりして、寝ようと思ったら、
激痛がはじまりました。
少し動いても、ズキッ
動かなくても、ズキズキしょぼんドンッして

のたうち回るとはこのことです。

誰か麻酔で良いから、眠らせてくれろ!!とおもいました。

痛い痛い痛い…独り言もでました。

やっと眠れたのは、六時頃で、トイレにもなれたものでした。

12時間は痛くて、レベル10なら
15時間で、レベル6になり
それから、診察は9時で、腫れた膝から血液を抜いて、少し楽になりました。

昼前には、リハビリをして両足ついて歩きました。

松葉杖も両足をついて歩きます。

手術前に時間があったので、入院前の日まで、スクワットや階段を痛い方の足から登り、腿を鍛えたり
プールを歩いたりしていたからか

先生が驚くほど
術後の足が、自力で上がるし、曲がるようです。

回復が早いと言われるので、私も妖怪なのでしょうよ。
イメージ 1

足が、まさに肉のかたまりに感じる。

感覚では、両足をがに股に開いているような。
でも触ってみると、右足は真っ直ぐ閉じてあり、
左足は、少し高く上げてあるようだ。

精気のない足は、体温は低くぷよぷよで、気持ち悪い

5時を過ぎた。
しばらく寝ていたようだ。食堂へ案内する院内放送で目が覚めた。
食事は一階まで、お箸と湯飲みをもって降りる。術後はしばらく部屋で食べることになるけどね。

看護士さんが、保冷剤を手に持って現れて
お腹に冷たさがわかると食べていいそうで…

私はお腹の真ん中は、冷たいけど、骨盤辺りはまだ弱い。

でも食べていいそうで♪卑しい私は嬉しかった♪

ミートローフだ♪
吐き気などしないかと看護士さんが聞いてきたけど、

本当は吐き気がしていたんだよね~しかし、お腹が?脳内が?
「いま食べないとどうするの!?」と言うんで、空腹過ぎての吐き気だろうと思うようにした。

ゆっくりしか入らないから、看護士さんが心配で見に来られたが、
食べたかったんですもの。
完食したら、吐き気も飛んだので、
卑しさが勝ちましたな~(^-^ゞやっぱりね
七時 血圧と血糖をはかる。
昼過ぎからの手術なのに、もうからノーブラ指示された。
寝るときもつけたいのに、朝からは、嫌だったなぁ

前あきシャツと、大きめの短パンに着替えて
上半身のレントゲンを撮った。

9時すぎから、手術の点滴。

10時 術後管理の個室へ異動。

一人部屋はクーラー利きすぎるんだなぁ~寒くなった。

点滴を二回続けて、終わる頃に、点滴と一緒に手術室へ呼ばれる。

いよいよだ。超ドキドキする

時分で
氏名と、手術箇所をいう。
薄い水色の手術帽子をかぶるように指示される。昔のパーマみたいだな。

手術台に乗る。何て狭いのだろう。落ちはしないか((T_T))

心電計を胸に取り付ける。右腕には、血圧計、左指には心拍計だ

お腹の上に手を乗せるように言われる。
まるで、アカデミー賞のトロフィーみたいだなと、邪念がわく。

血圧が高いよ、下が100

手術助手の方が、宣言し始まる
狭い台の上の、大きな小心者は、背中を丸めるように言われる

いよいよ麻酔。麻酔の前の麻酔の痛いこと痛いこと…。
下半身麻酔の投与。

血圧も安定した


両足が、ゆっくりと痺れてくる

氷を持たされ、「これは10として、ここは?」と、お腹や足や足の裏に冷たいレベルを答える
「3、4」「あー5くらい」
適当に言うと、手からまた始まる

ようやく効いた。

足がどこにあるか、わからない状態だ。


先生方が持ち上げた太い棒は、
自分の足だった。
持ち上げて、ペタペタと消毒液を塗りつけていく感覚がわかるから、恐かった。
今から穴を開けるんだ。

小心者だが、
バレー仲間に説明できるように、しっかり見ることにした。

モニターがついて、助手の方が、膝の中の手術を解説してくれた。

膝の中は、黒色や赤色など、グロテスクなんだろうと思っていたら、
水を流しながらの膝の中は、骨と靭帯は、綺麗な白。

全部が白い世界で、水の中で揺れる靭帯は、
波に揺れる海底みたいだと思った。


前十字靭帯が断絶していて、違う所についている
先生は内視鏡で、剪定
とても早くて上手。
チョキチョキいう音や切る振動が体の中から
響いてくる。
切り離された浮遊物も吸い込む振動がまた響いて。
素人目にみても
短時間で綺麗になった。

半月板の端がギザギザと損傷していて
イソギンチャクの触覚のように、波にフワフワと揺れている。

「半月板もかなりやっとるね~綺麗にしとくね」
と、そのイソギンチャクを先生のハサミが綺麗に片付けていく。

「空洞が出来てるね」と、イソギンチャクの根元は、横に口を開けたように、二枚に割れていた。

先生は見るも鮮やかに剪定して綺麗にしていった。

棚という膜も、チョキチョキチョキっと、切り離された。
軟骨が削れていた箇所は、綺麗に削いで滑らかな形に戻った

さて、今度は大工さんみたいな工具の音がする。

穴を開ける部分に移植するために、膝の皿を削る
電気ノコ「ウィーン、ガリガリ…」

カンカン 穴を開ける音。

骨盤やお腹に、びんびんと鈍い振動がくる。


膝の頭骨にドリルで穴を開けた。

皿の下にある靭帯を、前十字靭帯として移植された。
金具に糸と靭帯が、穴に吸い込まれていくように取り付けられた。

先生は天才だ、いや神だ。
スタッフの皆さんも神様だと私は思った。

軟骨が無事だから、膝が綺麗になって、バレーは半年で復帰できると先生がおっしゃった。
私は嬉しかった


そうして、2時間くらいの手術が終わった。


ありがとうございました
たくさん感謝をして天井を見ながら

病室に戻る

足に巻かれた包帯は指先から太ももまであり、いつ巻いたのというかんじだった。
柔らかい装具は、腿から脛まであり、そのなかに
冷却パットが挟んであった。
パットに繋がれているのは冷蔵庫と同じ音がして、今夜は機械で冷やされ続けるらしい。

体には電気毛布がかけられても
ぞくぞくした。寒かった

さて…麻酔が切れたらどうなるんだろう。

切れなかったらどうなるんだろう。

夕食は食べられるかな~卑しいぞ 私。


そう思いながら寒さに耐えた