みなさま こんばんは、ランガです。

 

今日のブログのタイトルは “借りた時間”ですが、これは 私が以前 大好きだったテレビドラマの エピソードの題名でもありました。

 

テレビドラマ: Dark Angel  (2000年~2002年)

エピソード: シーズン2 No.12   

主演:Jessica Alba Michael Weatherly 

制作:James Cameron

 

このドラマでブレークしたジェシカ・アルバは、このドラマのあと Fantastic Fourなどの映画などにも出演しましたが、 今は自分で設立したエコ幼児用品やスキンケア製品の製作会社の経営者として とても活躍しています。 共演者のマイケルは 最近まで「NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班」に13年出演していました。 

ドラマがオン・エアーしている時 二人は実生活でも 婚約していたので ますますドラマの中でカップルを演じていた二人に 傾倒していた覚えがあります。

 

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さて、このエピソードでは、マックス(ジェシカ)とローガン(マイケル)は お互い深く愛し合っているのに マックスが直に触ると ローガンを死に至らせるウィルスに感染させてしまうため、いつも距離を保って 感情に素直になれない二人が 開発した治療薬のおかげで 一緒の時間を過ごせることができます。 

 

ただ、その効果は10時間15分しか持たず、期限が切れた後は また もどかしい状況に戻らなければなりません。

 

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なぜ今回 この話で始めたかというと、現在 私は 時間を借りているからです。

 

その時間とは、レチェと過ごす最後の時間です。

 

先週末 ビッコを引きはじめ、数日間で 完全に 後ろ足が動かなくなりました。

 

月曜日に VETで診察を受けた時に 次のように言われました :

  1. お腹のガンのようだ - 最初に触った時 異物を感じた - 尿を排出させたあとにも その異物を感じる
  2. 足が動かなくなったのは ガンが広がっていて 血液循環に影響が出ているか、神経障害が出ているからかもしれない
  3. ガンかどうかはテストもできるが、確実にわかるには手術をしなければならない
  4. もしガンだとしても 持病の膀胱炎と並行してるので 治る保証はない
  5. この地域では Australian Paralysis Tick (神経毒を注入し、ホストを麻痺させる種類のダニ)にやられる動物が多いので 最初はそのせいかと思った(私も思いました)。 ダニにやられた場合は 確かにこのように足がマヒするが、息切れや動悸も激しくなり もっと不安気になる。 レチェを見た限りそうとは思えない。 念入りに触診したあと、もう一人の獣医さんにも触診してもらいました。 ダニかどうかを100%判断するには 毛を全部剃って 傷口を探す方法しかない。 ただ前例が多いので、ほぼそうでないと言い切れる。 レチェも ミンティも 一応 3週間前に処方薬は投与済みです。
  6. 年齢を考えて 安楽死をすすめる
 
ジレンマがあり 何らかの決断を下すとき、For and against analysisを よくしますよね。 つまり、決行に賛成する理由、反対する理由のリストづくりです。 ここでの決行事項は 安楽死です。
 
For (賛成)
  • 腰の力がないので 座ることや 立つことができず 自力排泄ができない - 私は常に、猫が自力でトイレに行けなくなったら 無理にその状態を続けたくないと思っていました。 もちろん 時と場合により、一時的なものならオムツなどにするでしょうが レチェは猫一倍プライドが高く、垂れ流しは嫌だと思うのです。 今は歩けないので トイレに行くこともできません。 身体の下にペットシートを敷いてあり おしっこをしたら替えます。 たまにトイレに連れていき、支えますが そういう時はあまり出ません。 膀胱炎が再発し、尿に血が混ざっています。
  • 土曜日(13日)の メルボルン行きのフライトは 今の体調では きついだろうし、万が一フライト中に亡くなったら ひとりぼっちで最後が怖い思いをさせる - 安楽死なら 少なくとも私が一緒にいるし 私の腕の中で息を引き取ることができる
  • 歩けないので 寝たきりというか 横たわったのままの状態 - もしフライトをクリアし、メルボルンに戻ったとしても 私の仕事中は 植物状態でいるようなもの。 自力では食べれないし 水を飲むときも 支えが必要。 あと、上記と同じく、最後を看取れないかもしれない不安。 今は移動は全て私が運んでいる。
  • ゴールドコーストに残して 親に介護を頼む - ハッキリ言って無理だし、フェアじゃないし、レチェに私が見放した などと思われたくない 
  • ペットの最後を看取るのが 飼い主の責任だと信じている
  • 年齢 - テストや治療に耐えれるか、それが効くかわからず 無駄に苦しみを長引かせるのではないかと思う 
  • かなり痩せているので免疫や対抗力はあまりない。
  • 私にとって精神的に辛くても、レチェの身体的な辛さを続けることは自分勝手

Against (反対)
  • VETが言うことを鵜呑みにしたくない
  • 本当にガンだという確証がない
  • 治療しないのは無責任
  • 食欲は旺盛ではないが、与えれば食べる
  • 一か月前にDavid先生に診てもらった時 特に悪いところはなかった (膀胱以外は)
  • 歩けないが レチェはまだ本当に美しく目力も強く 命を摘み取る勇気がでない

 
ゴールドコーストで VETに行ったのは初めてです。 でもVETは至る所に見かけます。 どこに行こうか迷いました。 できれば一カ所で適切な診察を受けたく、一発勝負だと思いました。
 
まずは、猫を飼う現地の知人の行きつけのVETを尋ねました。 大手のチェーン系列で、回診の度に先生が変わり、$500相当の歯のクリーニングを勧められたそうです。 即そこは却下し、次に、犬を飼う姉に聞きました。 違うところでしたが、特に良くない、と言われましたので、それも外しました。
 
グーグルで一番レビューの数が多く、総合スコアが高い 近場のVETに行くことにしました。 名前に Veterinary Surgeryとついていて プロっぽい感じもしました。 結果的にとても誠実な先生から 診察を受けることができたと思います。 丁寧な説明、検査、アドバイス、処置、同情心と適度なプライバシーももらえました。
 
診察後、痛み止めを打ってもらい、9時間ごとに舌の下にあてるだけの 一回ずつの量が 注射器に入ったものを6本もらい、水曜日の2時に仮予約を入れ、帰りました。 もしも2日間のあいだに回復の兆候がでるか、もしくは安楽死を選択しなければ キャンセルできることになっています。
 
決断を下すまでに借りた時間は2日ですが、20年半 レチェは私に時間をくれました。 
 
わたしたちの地球での存在そのものも、“借りた時間”だといえます。
 
 
上のリストを見ると 圧倒的にFORが多いですね。 80%、いや今では90%は、それが最善策だと考えています。 
 
それでいて レチェがミャ―と鳴いたり ゴロゴロ喉を鳴らしたり 私の方をじーっと見ているのを見ると グラグラと決心が揺れます。 彼女の温かい身体に触れると、まだ生きていることを実感し、そうでなくなることが恐ろしくなります。
 
この数日間は レチェの好物の食べ物を 少しずつあげています。
 
鶏のささ身、サーモンの刺身、チュール、チーズ、かつお節、猫用オヤツ。 明日はクリームをあげます。
 
本当は明日のブログ更新で、ご報告という形にするつもりでしたが、現在の心境を含め、私の選択に至るまでを できるだけ正直に書きました。
 
チューリップ

先月 庭で撮ったレチェの写真です。