素晴らしい朝になった。
いつもとは反対側に小槍が見える。
テンションと一緒に緊張感も上がる。
起きてすぐ、水を飲んで飴を舐めただけてスタートした。
というよりも食べられるものを持っていなかった。(水を使うものしかなかった)
身体がまだ起きていないので、最初はより慎重に進む。
「こんなところに張ってたんだ....」と改めて思う岩の上にいるのだから。
今日は積極的にロープを出していこうと決めていた。
ちびたさんのコメントにあった通り、白ザレ峰が核心部だったと思う。
ここは非常に危険で、先に進めず戻ったり、迷ったり時間がかかった。
でも、北鎌からのプレゼントもあった。
5羽の雷鳥が遊びにきてくれたのだ。
この時だけは緊張もほぐれ、癒された。(^^)
しかし、大槍は遠かった......
なかなか近付かないのである。
とにかく前進するしかない。
ようやく大槍が近づいて来た。
この日はこれ以上ないほどの天候であったが、写真をあまり撮っていなかった。
ここにアップしたもの以外ほとんどない。
やはり緊張していて写真を撮る余裕がなかったのかもしれない。
休憩を取ると、サンダル、テヌグイは必ず煙草を吸う。
僕は一切吸わないが、毎回とても美味しそうに吸う姿を見ると、山と煙草って結構合うなと思ってしまう。
上の写真は、大槍を登っている途中のもので、頂上アタック前、最後の休憩の写真である。
この次の写真はもう頂上の祠であった。
僕は先頭を進んでいて、2つ目のチムニーをロープを出して登っていた。
岩を越えたところに人が見えて、そこが頂上であることを知った。
頂上祠の少し下の岩に座り、テヌグイ、サンダルが登ってくるのを確保しながら涙が止まらなくなった。
嗚咽に近かった。
頂上の人たちには背を向けていたので泣いた姿は見せていない。
最初に頂上に立ったのは、今回膝を負傷したのにもの凄い根性で頑張ったテヌグイである。
祠の後に立った時に、頂上にいた人たちから大きな驚きと共に祝福されていた。
サンダルが上がってきた。
泣いている。
気持ちは分かる。
僕らはぎりぎりだったのだ。
水も切れて(途中の岩場でペットボトルを落としてしまったりした)、食べられるものもなかった。
ビバークの地点から、頂上まで7時間以上かかっていた。
僕は最後に頂上に立った。12時45分だった。
ある人は「スーパーヒーロー」と言ってくださり(^^;)、一緒に記念撮影をしてほしいと申し出てくださった人たちもいる。(^^;)
大袈裟だとも思ったが、素直に嬉しかった。
雲ひとつない快晴、360度の展望、最高の風景が見えていたはずなのに、この祠の写真と、三人で記念写真を2枚撮った以外は、全く写真を撮らなかった。
今思うと不思議である。
頂上に立てて気が緩んだのか、僕は頂上のなんでもないところで転んで左膝を岩に痛打してしまった。膝の皿が割れたのでなないかと思うほどだった。
持っていた携帯も吹っ飛んだが壊れなかった。
今思うと、この転倒は、この後の地獄の下りを暗示していたのかもしれない.....













