日曜の夜から読み始めたこの本は、昨日の昼前、電車の中で読み終えた。



テルモスのポッと加入道山!


『信念』 東浦奈良男 1万日連続登山への挑戦  吉田智彦 著 山と渓谷社




最後、奈良男さんが日に日に衰弱していく姿は、読んでいて本当に辛かった。

そして、ついに連続登山が途切れる日が来てしまう.....



昨年の6月25日、記録は9,738日で途切れた。




途切れた日から後の話は、電車の中で涙を堪えるのが大変だった。



この本は、奈良男さんの日記を中心に進む。

奈良男さんは、高等小学校で常に一番の成績だったことが示す通り、子供の頃から頭脳明晰で、国語が得意だったという。

なるほど、道理で文章がとても上手だと思った。

人に読ませることを前提にしていない日記であるにも関わらず、流れるような美しい文章だと感じた。

俳句も得意で、地元の観光PR用語に選ばれ、長い間伊勢市駅に掲げられていたという。




9,738日連続登山の中、朝熊山(555m)に3,000回、鼓ヶ岳(355m)に2,000回など、里山のカテゴリーに入るような低山に数多く登っているが、その登り方は半端ではない。

獣道やヤブ漕ぎをしながら登ったり、登山道もなく、地図形にも載っていない山に登ったり、同じ山に飽きてくると、最初から最後まで後ろ向きで登ったりしている。



また、標高が低いと言っても、その歩く時間が半端ではない。

例えば、堀坂山(757m)であるが、自宅から往復60kmを15時間かけて歩き通すのだ。しかも、これでは時間がかかり過ぎると歩き方を工夫して、春から始めたこの堀坂山通いの中で、秋には12時間に短縮するという凄さである。



富士山には特別な思いがあった。

この連続登山の中には、300回以上の富士山が含まれている。

静岡県や山梨県に住んでいるのではない。

三重県の伊勢市に住んでいて、連続登山を続けながらの富士山300回以上である。



ひき逃げにあっても、自転車で転んで血だらけになっても、連続登山を止めなかった。



その連続登山が止まるとき.....



ご家族との繋がり、愛情の深さに心が打たれる。


是非読んでみてほしい。




伊勢に住む、奈良男さんの登る山は富士山を除き、僕には馴染みのない山ばかりであった。

そんな奈良男さんの山行歴の中で、とても印象的な山が二つある。


一つは、奈良男さんが極めて珍しい敗退を喫した山であり、一つの転機となった山、五竜である。

奈良男さんは、五竜の敗退にショックを受け、「五竜のくやしさをはじきとばすべく」と、自宅から名古屋までの90kmを約20時間かけて歩き通すというとてつもないことをやるのである。


もう一つは、山と渓谷社が奈良男さんを取材するために東京の本社に呼んだ時の話だ。

連続登山を途切れさせるわけにはいかないため、新幹線を途中下車して沼津アルプスに登ってから東京に向かったという。



五竜での敗退と沼津アルプス。



偉大な東浦奈良男さんが少しだけ近く感じられた。





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