東浦奈良男さんを知っているだろうか?
僕は『山と渓谷 2009年9月号』でその存在を知った。
本当に衝撃を受けた。
当時、サンダルとテヌグイにも是非読んでほしいと勧め、サンダルはすぐにその号を買って読み、やはり衝撃を受けていた。(僕の衝撃とは少し違った視点だったが)
当時、84歳である。
記者が同行したその日は、全行程10時間の山行で一度も腰を下ろさず、水も食べ物も口にしなかったという。毎日同じやり方だという。
登山口へ行くだけで4時間以上歩くことも多いという。
一般の常識では考えられない超人である。
超人であるこは間違いないが、きっと超変人でもあるのだろうと思った。
しかし僕の予想は完全に間違えていた。(大変申し訳ありませんでした)
仕事はまじめで高い技術を持ち、周囲に信頼されて定年まで35年間勤め上げ、三人の子供を立派に育て上げた方であった。
しかも、三人の子どもたちから尊敬され、感謝されているのである。
かなり厳しく怖い父親だったようだ。
毎週日曜日は問答無用で山に連れて行かされたようだ。
その後も毎週末の登山は続き、娘の結婚式の日でさえ、山に登ってから出席したという。
恐らく、その当時は反発もあったのではないかと思う。
二女の方が思い出を語る。
「(富士山の)砂走りで顔から転んでも待ってくれません。靴に入った砂を出そうと立ち止まっても、すぐに姿が見えなくなるので、いつも緊張していました」
二女の方は当時幼稚園児である。
しかし、恨まれるどころか感謝されているのだ。
何と強く立派な父親像であろうか。
僕はその点に強い衝撃と感動を覚えた。
なぜ子どもたちを毎週末山に連れて行ったのかという質問に対し、奈良男さんは、「ひとえに丈夫になってほしかった。」と答えている。
あの記事から1年半経っている。
その後も何度かネットで検索しているが、最近では昨年9月に、名古屋テレビが敬老の日スペシャルの番組の中で、「連続1万日登山を目指す85歳」と題して取材、放送したようだ。
安心した。
9000日連続登山を達成したのが2009年6月16日なので、名古屋テレビの取材時には少なくとも9400日は超えていただろう。
僕も、連れて行った子どもが山で転ぶと、少し真似をして「自分で立ちなさい」と言う。
でもきっとそんなことを続けていたら、心底恨まれるだろう。(笑)
1万日達成の時には87歳になっているという。
必ず達成してもらいたいと願う。


