いよいよ寒い季節になる。
雪のある山では、過去、何度も怖い思いをした。
僕らはバリエーションルートなどの難しいルートを行くわけではない。あくまでも一般ルートだ。しかし、経験不足や無知、抑えきれない好奇心からとんでもなく間違った判断をしてしまい、怖い体験につながったことを今後の教訓にするためにも書き残す。
『噴火』 - 雌阿寒岳
2008年11月、雌阿寒岳に行った。
東京から登山道具を送り、いよいよ4日後に登るというタイミングで噴火した。
雄阿寒岳に登るしかないなと思いながら現地に行ったが、昔ならこれくらいの時は平気で登っていたよ、という地元の方に背中を押されて雌阿寒岳に行った。
登山自粛を求める赤いテープをくぐり登山道に入っていった。
(これは絶対やってはいけないことでした。本当にすみません)
いくらなんでもこれはヤバイ。引き返そうと何度も立ち止まった。
事故を起こしたらワイドショーネタになるどろうなーと思った。
こんなアホな奴いるんですねー、と徹底的に袋叩きにあうだろう。社会人失格だと。
二人目の子供が生まれたばかりなのに、自分でもどうしようもないアホだと思った。でもどうしても行きたいのだ。気持ちを抑えられなかった。
(噴火なんてことはもうないでしょうが、二度としません。反省しています)
近くの大きな岩の向こう側からシューという不気味な音が聞こえてくる。
とてつもない緊張感が走る。
火口の淵に着くと、噴煙が向かってきてタオルで口を押さえる。意味ないだろうなと思いながらも。
火口からゴーという轟音が聞こえるが、火口の中は怖くて見れない。
ちょっと右目をつぶった瞬間にまつ毛が凍って目が開かなくなった。
噴煙も流れてくるし、恐怖の真っ只中に長居はできない。
数枚写真を撮って、飛ぶように下った。
7合目を通過した時はかなり安心した。
7合目より上が特に規制されていたからだ。
入山したこと自体、愚かな判断であったが、下山した時の満足感はとてつもなく大きかった。
下山直後に行ったオンネトーから撮った雌阿寒岳と阿寒富士の写真は、今までの中でも最も印象深い一枚となった。



