山に関連する本を見つけると、大抵読みたくなる。
紀行文、エッセイ、小説も好きだし、ガイドブックだって面白い。
読書の秋なので、今まで読んだ中で面白かったものを紹介したい。
⑦ 『ソロ』
山と渓谷社 著者:丸山 直樹
山登りは夢なんだ。河原の石ころからヒマラヤの8000メートルまで、まさに夢が無限にある。
孤高を至上とする最強かつソロ・クライマーである山野井泰史の素顔を描くドキュメント。
付和雷同をよしとせず、先人の偉業を凌駕すべく己を鍛え、かれは巨大な山に挑む。なぜ、ソロなのか。なぜ、それほどまで自分を追い詰めるのか。
山野井は言う。「その先に本当の自分が見えるからだ」と。
僕の中のスーパーヒーロー山野井さんは、どんな幼少時代を過ごしたのであろうか?
家族構成は? 学校の勉強は得意だったのか? トップアスリート並みの体質というが子どもの頃はスポーツは得意だったのか? どのような友達と付き合っていたのか?
そして、ソロクライマーとして数々の偉業を成し遂げてきたあの精神力はどのようにしてつくられたのであろうか?
高校時代、山ばかりの生活態度を見かね「山をやめろ」といった父親に対し、「山をやめろと言うのなら、俺を殺せっ」と肋骨にヒビが入るほどの取っ組み合いになったという。
進路相談の三者面談では、「進学はしない。就職もしない。ヨセミテに行くから」といった山野井さんに対し、担任の先生は母親の前で「将来ろくなものにならない」と言ったという。
しかし、自分の決めた通りに行動し、ろくなものどころかスーパーヒーローになった。
顔面から岩に激突し、前歯が全部鼻の中にめり込むほどの大怪我をしてもタオルで口を押さえ電車で帰ってくるという、痛みに対する強さ、雪の上に平気で直接寝られるほどの寒さへの抵抗力など、超人らしい若い頃のエピソードも満載である。
山野井さんの奥様である妙子さんも世界的トップクライマーであるが、ほんとうに素敵な方で、なんて素晴らしい夫婦だろうかとうらやましくなる。本を読むと妙子さんのことも間違いなく大ファンになるだろう。
