斜里岳に登頂するチャンスは今回はないと思っていた。
予定していなかった斜里岳に強引に登るためには、いくつか問題があった。
1) 登山靴がない
本格的な登山をするつもりがなかったので登山靴を持ってきていない。今履いているティンバーランドのローカットシューズ(しかもかかと部分が網状になっていて徒渉の多い斜里岳のルートには最も適さない靴)しかない。
2) 時間がない
今回は家族と一緒の旅行だが、家族をホテルに残しているので、チェックアウト時間の10時には絶対に戻らないといけない。登山口の清岳荘からホテルまでは40分くらいかかるので9時半には下山しなければならない。
3) レインウェアがない
雨が降ったらどうにもならない。道東の朝は結構寒い。
4) 熊鈴がない
ヒグマが怖い。絶対に遭遇しないとは思うが、とにかく怖い。
5) 地図もない
まあ、百名山の一般ルートなので標識は完備されていると思うが。
それでも3時に起きた。
斜里岳の麓まで来ていて登らなかったら確実に後悔する。
ほとんど準備していなかったので、家族を起こさないよう小さな電灯の下、だらだらと準備をして4時少し前にホテルを出発した。
清岳荘はレンタカーのナビに登録がなかったので途中道に迷ってしまい、登山口駐車場に着いたのは5時少し過ぎであった。
もう空が白くなってきている。
入山届けに書いた時間が5時15分。本日一番乗りの入山だ。
すぐに熊出没の注意看板が出てくる。
どう注意しろというのだろうか?
看板の警告に従い、石を持って歩く。この小さな石でヒグマに勝てるとは思えないが。そうです、超ビビってます。
下二股までに13回の渡渉があった。
靴が滑れば沢にドボンだ。足が濡れたら帰るしかないだろう。濡れた足で何時間も歩く自信はないし。
06:01 6合目を通過
06:05 下二股に到着。
ここから沢沿いの旧道を進む。
06:26 羽衣の滝に到着。確かに羽衣だ。
水量は多くないが、この滝の左側を登っていく。とてもじゃないが、下りには使えないと思う。昨日インターネットで見た山行記録の方はここを難なく下ったようだが。

ここが7合目になっている。
6時43分でまだ7合目では、9時半までに下るのはちょっと厳しい感じになってきた。
06:53 見晴の滝に到着。
確かに山麓方面の見晴らしが良い場所である。
06:55 七重の滝に到着。
七重になっているようには見えない。
しかし、とにかく次々に滝が現れ、
楽しいルートだ。
06:58 竜神の滝に到着。
これは見事な滝である。
我が阪神タイガースと首位
を争っている中日を連想させるので複雑な気持ちの名前だが。
この脇をずっと登っていく。(写真で感じるよりもずっと傾斜があります)
僕の靴では滑りと濡れに大きな不安がある。
いつもの靴ならがんがん行けるのに。
でも、変化に富んだ楽しいルートであることは間違いない。暑い夏ならもっと楽しそうだ。
07:01 霊華の滝に到着。
18分で1合目分登ったことになる。
この調子だとあと30分くらいで頂上か?
07:24 ようやく上二股に到着。
思ったより時間がかかった。写真を撮る以外はほとんど止まらず、かなり頑張ったつもりだが。
ここからは水量のほとんどない沢を行くことになり、ようやく靴濡れのリスクから解放される。
07:43 胸突八丁、ここが9合目となる。8合目から42分もかかった。
07:46 振り返ると左に摩周湖、右に屈斜路湖が見える。
贅沢な風景だ。
ここまで来ると少しだけヒグマを見てみたい気もする。
でもめちゃくちゃ遠くに。
残念ながらガスがかなり上がってきてしまった。
これでは頂上からの眺望は望めないだろう。
08:02 念願の頂上に到着。
一人ガッツポーズをする。
でも眺望はまったくなし。
写真撮影と水補給以外はほぼ休みなしで歩き続けたが、2時間47分かかった。
10時に間に合いそうもなかったので、途中で「1時間のレイトチェックアウト、11時までの延長をお願いします。」と家族にメールしていたが、「ホテルに断られた。絶対に10時までに戻って」との返事が来た。
うーん、まずい。間に合いそうもない。
下りは新道を行くので、確か距離も長いはずだ。
とにかく急ごう。
写真を数枚撮ってからすぐに下山にかかった。
新道からはとても素晴らしい風景が続いた。
頂上方面に振り返ると、ガスが切れて頂上が見える。
「竜神ノ池→」という魅力的な標識があったが、時間がないのでそのまま直行。
何度か小さなピークを超える。
09:08 熊見峠に到着。
途中、走るように下り、
10:20 清岳荘に到着した。
結局、スタートから5時間5分かかった。
途中の休憩は頂上を合わせても7~8分ではなかったかと思う。
写真を50枚撮っているが、一ヶ所で複数撮っているのを考慮すると30ヶ所で撮影していたので、一回20秒として撮影に10分費やしたことになる。
合わせて18分立ち止ったことになるので、実際に歩いた時間は4時間47分と考えられる。
普段の山行では一般的なペースよりも少し早いくらいと認識しているが、早くなるはずの単独行で、しかもかなり頑張って4時間47分。
防水性の靴であれば数多くあった徒渉の場面でもっと早く行けた可能性があったとも思う。
その後、ホテルに戻って家族にひんしゅくを買ったのは言うまでもない。
部屋を追い出されたので、ずっとフロントで僕を待ち続けていた。
いつもすみません。
家に帰ってコースタイムを調べて驚かされた。
お馴染の昭文社の「山と高原地図」(利尻・羅臼 斜里・阿寒2005年版)では6時間となっていたが、
同じ昭文社の「日本百名山を登る」(上巻)では5時間40分となり、
北海道新聞社の「北海道の百名山」では4時間50分となっている。
そして極めつけは、山と渓谷社の「日本百名山 登山ガイド-[上]」。
この本では斜里岳登山口から林道を延々と歩くことになっているが、その部分を除く清岳荘からの往復時間は、なんと4時間40分!
僕は標準コースタイムよりも遅かったなんて!
まあ、でも楽しい山行でした。(^O^)/
今回ゲットしたバッジ。
清岳荘オリジナルと思われるがとても素敵なデザインで気に入っている。






















